サッカーJ1第8節は、ガンバとセレッソがそれぞれホームで躍動。ゴールデンウイークに対決する大阪ダービーに向けて、チームに自信をもたらす勝利を挙げました。
4月13日(土)。桜の季節に満開のサクラを咲かせたのはセレッソ大阪。川崎フロンターレを打ち破って、2020年7月以来、4シーズンぶりの首位にたちました。この試合までリーグ戦7試合を終えて、4勝3分けと好調のセレッソ。相手はけが人続出で、狙いどおりの戦いができず15位に沈んでいるとはいえ、近年Jリーグをリードしてきた川崎だけに、今シーズンを占う試金石となる一戦。
試合前、小菊昭雄監督が選手たちに伝えたのは、「ボールを握って、主導権をつかんだうえで勝利しよう」という言葉。ここ数試合、守備に重点を置きながら、カウンターでゴールを奪い勝利してきたセレッソ。今後の躍進と、安定した戦いを続けていくためには、キャンプから積み上げてきた、ボールをしっかりと確保しながら、自分たちが主体となって攻めるサッカーが必要と判断しました。
70分にレオセアラがこじ開ける
監督の言葉どおり、立ち上がりから局面、局面でフロンターレを圧倒、ボールを握って攻撃的なサッカーを展開します。レオセアラ選手の突破や得意のサイド攻撃を中心に、決定的なチャンスをつくりますが、川崎フロンターレのGKチョン ソンリョン選手の好セーブの前に、ゴールをこじ開けることができません。前半は0対0、両チーム無得点で終了します。
後半も、果敢に攻め続けるセレッソ、球際でしっかりとバトル、的確なポジショニングで主導権を渡しません。そして70分、たびたびチャンスをつくり出していたカピシャーバ選手のクロスに、レオセアラ選手が頭で合わせて、待望の先制点を奪います。
川崎の捨て身の攻撃に押し込まれる時間もありましたが、しっかりと守り切って1対0で勝利。伸び悩んだ上位チームの町田、広島を抜いて、4年ぶりの首位に立ちました。
勝利した小菊監督は、「このサッカーを自信もって続けていくためにも、内容だけでなく結果が必要だった。ここから一気に加速して首位をキープしていきたい」と手ごたえとともに、未来に向けて闘志をのぞかせました。
ガンバ大阪ーサガン鳥栖 先制は鳥栖
大阪を拠点とするもう一つのチーム、ガンバ大阪は、14日(日)、ホーム吹田スタジアムにサガン鳥栖を迎えました。ここ2試合は、いい内容のゲームをしながら、ちょっとしたミスが重なって、悔しい敗戦が続いていたガンバ。この試合も前半からサガン鳥栖を押し込みますが、一瞬のスキをつかれて失点。嫌な空気が漂います。
しかし、この日は、違いました。焦らずボールを丁寧につなぎながら反撃に転ずると、前半終了間際のラストワンプレー、FKのこぼれ球を、3試合連続でスターティングメンバーに起用されている坂本一彩選手が執念で押し込んでゴール、パリ五輪出場を狙う逸材の値千金のゴールで追いつきます。
サイドの代わった後半、その坂本選手が持ち味を発揮して、試合の流れを引き寄せます。後半10分、一瞬のスピードでマークを振り切ると、左サイドから中央に走りこんできたウェルトン選手へ絶妙のスルーパス。DFのウラに抜け出したウェルトン選手が後ろから倒され、得点機会を阻止した(DOGSO=ドグソ)として、堺屋佳介選手にレッドカード。一気に試合の流れは、ガンバに傾きました。
しかし10人になって、戦い方が明白になったサガン鳥栖。ゴール前に分厚いブロックを敷いてガンバの攻撃を跳ね返し、カウンターを狙う戦術に切り替えます。ガンバも攻撃的な選手を投入して得点を狙いますが、サガンのディフェンスの前に、なかなかゴールをこじ開けることができません。
逆に、一瞬のカウンターで、あわやのピンチを招きます。しかし、ガンバの守護神、一森純選手が落ちついた対応、さすがの駆け引きで相手選手との1対1を制してピンチを防ぎました。
後半54分 試合を決めたのはDF三浦
引き分け濃厚かと思われた後半の54分、ダニエル・ボヤトス監督が「どんな選手であっても、フォアザチームが最優先のプレー選択を求めている」というガンバの魂がついに実を結びます。
時間がない中、宇佐美貴史選手が仲間を信じてゴール前に送り込んだボールをジェバリ選手が丁寧に胸で落とします。そのボールを、最後のチャンスと判断してゴール前に上がっていた三浦弦太選手が豪快に振り抜いてゴール。サポーターの目の前で、勝利を手繰り寄せる一撃を叩き込みました。
ストライカーのエゴをすてて、良いポジションにいる仲間にボールを落としたジェバリ選手。ディフェンダーであっても、ここ一番でチームの力になれればと、日ごろからシュート練習を積み重ねてきた三浦選手。フォアザチームの精神が生んだ終了間際の劇的なゴールで、ガンバが5試合ぶりの勝利を飾りました。
「この勝利は大きい。これからも自分たちの戦いかたを信じて、上に向かっていくことができる」と語った三浦選手。ゴールデンウイークの最終日、5月6日にホームで現在首位のセレッソとの大阪ダービーを前に、チームが上昇していく手ごたえを口にしました。
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