7月7日、阪神タイガースは横浜DeNAベイスターズに逆転サヨナラ勝ち。その9回裏の攻撃について、8日、能見篤史氏が解説。また、プロ初ヒットを放った野口恭佑選手についても言及しています。

初ヒット初打点の野口選手は「見逃せる技術を!」

 ―――7日のDeNA戦は劇的な逆転サヨナラ勝ちとなった阪神。試合後のヒーローインタビューに登場した選手の1人、野口恭佑選手はおととしの育成ドラフト1位で入団。去年11月に支配下登録され、今シーズンの6月28日に初の1軍昇格となりました。7日の試合はプロ初ヒットそしてプロ初打点と活躍。しかし、8回に足がつって途中交代となりましたね。

 「足がつったのは、出場がない中で初めて出て、自分の思った以上のものが出てたので、やっぱちょっとそういうのもあるかなと。まぁ極端に言うと、水分不足です。(水分を)しっかり取っていればね。その辺はこれからの経験でね」

 ―――能見さんは野口選手について、「力強いスイングが魅力」だと。そして「見逃せる技術を!」ということですが?

 「7日はストレートを打っているんです、しっかりと。他球団は『ストレートをしっかりと打つんだな』というのがデータとして入るので、次はそういう配球をしてこないんですよ。“見逃せる技術”って言うのは簡単なんですけどめっちゃ難しい。でも、打ちにいく中で、どのポイントで(過去に)自分が打ったのかをしっかり把握しておけば、変化球が来たときに見逃せるんですよ、ちゃんと。なので、闇雲にまっすぐだけを狙って打つのではなくて、変化球も頭に入れながら。“自分はこれぐらいのタイミングでこう振ったらこれぐらいはコンタクトできるな”っていうのがわかれば、変化球を見逃すことができる。本当にこれは経験でどんどん身につけてほしいものですね」

「接戦になるほど四球は怖い」

 ―――7日の9回裏の攻撃を振り返りますが、能見さんは、9回表にリリーフの桐敷拓馬投手が三者凡退に抑えてまずリズムを作ってくれたということですね?

 「岡田監督は投げさせる予定はなかったって言ってたんですけど、1点差になって追い上げムードの中で、やっぱり次の回をゼロに抑えてほしいってなると、一番適任の桐敷投手。これはね、桐敷投手もその辺はわかってマウンドに上がっているんですよ。逆転につながる可能性があるっていうところを桐敷投手がしっかりとその役目を果たしてくれたっていうところが、まず一歩目になりますね」

 ―――そこから9回裏の攻撃。4番の大山悠輔選手がフォアボールを選んで出塁。接戦になるほどフォアボールは怖いもののようですね?

 「これは僕も経験ありますけど、やっぱりね、許してくれないんですよ、フォアボールって。ヒットでランナーが出たときに、もしかしたらゼロになる可能性ってすごく高いんですけど、フォアボールでゼロで抑える可能性の方がだいぶ低くなるので、四死球の怖さっていうのは接戦になればなるほど許してくれないですよ」

 ―――5番の佐藤輝明選手は見逃しの三振でしたが、6番の前川右京選手がヒットでつないでチャンス拡大。このヒットがDeNAにプレッシャーを与えたということですね?

 「佐藤選手が三振しているので、ちょっと一つ落ち着くんですよ。でも前川選手がヒットを打ったことによって得点圏にランナーが行って相手のバッテリーにプレッシャーをかけたんですよ。なのでここのヒットはめちゃめちゃ大きかったです」

 ―――その後、7番の梅野隆太郎選手がデッドボール、小幡竜平選手がピッチャーゴロで2アウト満塁となって、代打の原口文仁選手がタイムリーヒットを放ちました。「デッドボールの後のインコースは投げにくい」能見さんとしてはここがポイントだったと?

 「原口選手もちゃんと見てるので、自分がどこで代打にいくのかもわかってますし。DeNA側はランナー1・2塁の梅野選手の場面で、ゲッツーを取りたくてインコースに行ったんです。でもピッチャーにプレッシャーがかかって結局、デッドボール。満塁でインコースにもう1回投げられますかって言ったら、投げられないんですよ。なので、原口選手はインコースは捨てたと思います。外のボールを狙い打ちという形です」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。