いよいよ、あす7月6日(土)から開幕する夏の高校野球―。優勝候補筆頭の広陵高校(広島市)で1年生のときから全国に名を轟かせている “最強バッテリー” の最後の夏が始まります。

広陵高校 中井哲之 監督
「この子たちと甲子園に行きたいだけなので、やってきたことを全て強気に出し切りたいと思います」

春夏あわせて51度の甲子園出場は、歴代7位。言わずと知れた全国屈指の強豪・広陵高校 野球部。部員156人の超名門校で2人そろって甲子園に3度出場し、全国から熱視線を集めるバッテリーが、“最後の夏” を迎えます。

広陵高校 只石貫太 主将(捕手)
「いよいよ、最後の夏っていうところでプレッシャーもあるんですけど、もうわくわくというか、楽しみもあります」

広陵高校 高尾響 投手
「気を張って『勝たないと』と思ったら自分たちのプレーができないので、自分たちがチャレンジャーとして相手をしっかりつぶして、一つひとつ勝っていくという気持ちでこの夏の大会はやっていきたいなと思います」

守備の要となるキャッチャー・只石貫太 選手は、打線の要・4番を打ち、さらにチームの要、主将も務める三刀流です。

エースの 高尾響 選手は最速1

48キロ。広陵の長い歴史で初めて1年生からエースナンバーを背負い、入学当時から抜群の才能を発揮してきました。

甲子園を目指し、県内外から強者が集まる広陵高校で1年生からバッテリーのレギュラーをつかみ、ずっと中心選手として活躍してきました。

特に絶対的エース・高尾選手はこの2年間、ピンチの場面であっても学年の壁を越えて、ほぼ全ての試合を投げ抜き、3季連続の甲子園出場は、高尾選手抜きでは考えられません。

しかし、そんなバッテリーが「印象的な試合」と語ったのは、どちらも負け試合でした。

只石貫太 主将(捕手)
「甲子園で負けた試合というのが、やっぱり自分たちが一番成長できた試合だったかなというふうには感じます。バッテリーなので1球にくやむことっていうのがたくさんあって、その1球を後悔しないために話し合ったり、それを次に生かせられるようにというのを意識してやっていたので」

高尾響 投手
「ずっと自分が『1番』を付けさせていただいて、負けている試合というのが全部、自分で負けているので。勝ち切るところで勝ち切れないというところが、1年生のときからずっと課題になってここまで来ているので」

順風満帆にも思える高校野球生活でそれぞれが「負けたくやしさ」と向き合い、ひたむきに努力を重ねてチームを引っ張ってきた2人―。

只石貫太 主将(捕手)
「練習のときからあと1本のヒットだったり、その1球に対しての思いというのを今まで以上に持っていこうってふうに話をして練習に取り組んできたので、『あと1球、あと1本』というところはチームで意識してきたところなので、そこはだいじょうぶというか、自信はあります」

広陵を率いて34年の 中井哲之 監督は、さまざまな経験を力にして進化したバッテリーに自信を持ちます。

中井哲之 監督
「やっぱりバッテリー中心の経験者が中心になるようなチームだと思います。いろんな意味でプレッシャーも感じながら自分たちがやらなくちゃいけないっていう強い信念を持ってがんばってくれているので、何一つ言うことなく、任せています」い。

3年間、2人が目指し続け、そしてたどり着けなかった場所―。最後の夏にチームメイトと全てをかけて変わらない夢に挑みます。

広陵高校 只石貫太 主将(捕手)
「どこの広島県の高校もやっぱり『打倒広陵』で来ると思うので、そういったチームに受け身にならずに、逆にそういう状況を楽しめるぐらいの精神力というか、そういったところを出せるために練習のときから活気を出して、明るい雰囲気でやっていれば、試合でもかたくならずにできると思うので、この夏、必ず県大会を優勝して甲子園に戻って、ずっと負けてきているので最後は勝って終われるようにしたいなっていうふうには一番思っています」

広陵高校 高尾響 投手
「自分の目標は “チームを勝たす” ことが一番なんですけど、バッター陣の大切さというか、ピッチャーだけじゃ勝てないところを教えていただきましたし。この最後の夏、『自分で投げないと』って思うのもいいんですけど、それを思いすぎず、しっかりいい方向に持っていけるように、そして、チーム全員で掲げている日本一というのを最後まで勝ち切って獲りたいなと思います」

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