自転車競技の太田海也(24)はケイリン・スプリント・チームスプリントの種目で、パリオリンピックに出場する。自身初めてのオリンピックに出場する太田選手をTBSの日比麻音子アナウンサーが取材した。
太田は今年、世界トップレベルの選手が集結する国際大会、ネーションズカップで3つの金メダルを獲得するなど、今、最も勢いがある選手だ。どんな練習をしているのか視察すると、バイクの後ろを自転車でついていき、自力では出せない高速での走りを体に叩き込んでいた。なんと最高で100キロほどのスピードを出せるそうだ。取材に行った日比アナウンサーも大興奮だった。
日比麻音子アナウンサー:
うわっ、すごい。え~。うわーっと釘付けになったんですけど、怖くないんですか?
太田海也:
怖いです。バイクの後ろギリギリを狙うのはすごく怖いけど、それ以上にギリギリを狙った時のスピード感が楽しくて。
日比:
楽しいんですね。
太田:
楽しいんです。ジェットコースターみたいな感じで。
自転車仙人になりたい
太田の理想とする走りを聞いてみると意外な答えが返ってきた。
太田:
ある程度筋肉が付いて、きてばって踏んでいくと、意外と筋力が邪魔してスピードが出なかったりするので、どれだけ仙人のように無駄のない動きで行くかみたいな。えっ全然辛そうじゃないじゃんみたいな。今日見て頑張ってるなって思ってもらったんだったらまだまだだなと思います。僕の理想は頑張ってないけどめっちゃ速いな、みたいなのが理想なので。
日比:
それが仙人。
太田:
それが仙人です。自転車仙人になりたいです。
自転車仙人を目指す太田の爆発的なスピードを生みだしているのが鍛え抜かれた太ももだ。いったいどれくらいの太さなのか測ったところ、その太さは64cm!さらに腹筋もバッキバキ!
日比:
芸術ですよ、これは。物凄い肉体じゃないですか。ものすごい筋肉ですよね。
太田:
ありがとうございます。もう別人格として生きてて、人格別として生きてて自転車乗る時は仙人のように乗るんですけど、筋トレしてる時はボディービルダーを目指してやってるので。
日比:
違い過ぎません?
太田:
筋トレでは筋肉を日本で一番ぐらい精度の高いものに仕上げて、自転車乗る時はその筋力を一切使わないようにしてるので。多分全国にいるアスリートには伝わると思います。多分伝わってると思います。力みが出るとスピードが出ないので。でもやっぱり筋力が必要なんですよね。なので筋力はトレーニングして自転車の上ではその筋力を使わないようにできるだけ省エネでいきます。
自転車競技を始めて異例の3年で五輪代表に
パリでは、日本自転車界で初めての金メダルも期待されている太田。実は競技を始めてわずか3年でオリンピック代表に選ばれたのだ。
日比:
自転車競技を始められたきっかけは何だったんですか?
太田:
実は1回アスリートを辞めていて。元々ボート競技を高校の部活でやっていて、大学に進学してもやっていたんですけど。オリンピックを目指してやっていたんですけど、全然自分じゃ敵わないなっていう挫折をその時にしてしまって、辞めてしまって。
高校のインターハイでボート選手として優勝経験もあった太田だが、日本代表に一度も入ることができず、ボートでのオリンピック出場を断念。競技自体も辞めてしまった。ところが地元岡山に帰りサイクルショップで働くうちに、その魅力に引き込まれ2021年、競輪選手養成所に入所。自転車競技選手の道を歩み始めた。異例の3年でオリンピック出場に至った背景には、ボートでの経験が大きく関わっていると言う。
太田:
自転車は下半身の力と背筋がすごく重要になると言われていて、スムーズに自転車で力が発揮できた理由としてはボートでのグッといれる背筋がすごい役立ったのかなと思います。
日比:
無駄なことなんて一つも無いんですね。
太田:
今の自分が本当にそうなので、一生懸命、一日一日を過ごしてきて良かったなと思います。
挫折を乗り越え金メダルを狙う
大きな挫折を乗り越え、今、自転車で輝きを放つ太田が、憧れ続けた大舞台へ挑む。
太田:
ボート競技から世界で一番になりたいって思いを常に掲げてきて、自転車競技でそういった世界最高峰の大会に出られるっていうことで、自分の実力を最大限に発揮して、その先に見える金メダルに手を伸ばしていきたいと思います。
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