5月14日から世界の強豪16か国が参加して行われていたVNL(バレーボールネーションズリーグ)女子は、6月16日で予選ラウンドの全日程が終了。開催国フランスと、FIVBパリ五輪予選(2023年)で出場権を獲得した6か国に続き、5か国が世界ランキングポイント(6月17日時点)による五輪出場を決めました。

 出場権を獲得したのは、イタリア・中国・日本、アフリカ最上位のケニア、そして最後の1枚は、福岡での予選ラウンド最終週、日本との激闘の翌日で疲れが残るカナダを直接対決で下したオランダです。

 眞鍋政義監督が「とにかく1戦1戦、1セット1セット、もっと言えば1ポイント1ポイント、目の前の試合に集中してきたことが、(五輪の)出場権獲得につながった」と話した女子日本代表。東京五輪翌年の2022年、各チームが若手選手を登用して戦力を切り替えるなか、早めにチームを立ち上げて大きくポイントを獲得。今シーズンも予選ラウンド序盤から完成度の高い戦いぶりで、当時世界ランキング1位のトルコ(現在3位)を撃破するなど、着実にポイントを積み上げて世界ランキングでの出場権獲得につなげました。

 それでも、長く苦しい戦いのなか、終盤は連戦の疲れから持ち味のスピードと粘り強さに陰りが見え、最終戦はアメリカに0対3のストレートで完敗。古賀紗理那主将が「攻守ともに相手の組織的な動き、高さに対応できなかった。(体力的に)厳しい中でも(攻撃陣が)もっと工夫すること、コンビの精度を上げていくことが必要」と反省を口にすると、眞鍋監督も「相手の高さに対抗するには、とにかくスピード。セッターからのトススピードに尽きる。さらには正確性。その上で、サーブで崩して高さを分散させないと」と、これからの課題をあげました。

 開催国タイと上位7チームが参加するVNLファイナルラウンド(ノックアウト方式)への進出を8勝4敗の5位で決めた日本は、準々決勝で中国との対戦が決定。中国は予選ラウンド第2週で日本に敗れたあとチームを立て直し、最終週ではトルコ・ポーランドといった強豪を打ち破ってアジア最上位でのオリンピック出場を決めただけに、日本にとってパリに向けた重要な一戦となります。

 パリ五輪の抽選会は6月19日に行われ、
(1)開催国フランス
(2)世界ランキング1位のブラジル
(3)世界ランキング2位のイタリア
 の3グループに、
 世界ランキング3~5位(トルコ・ポーランド・アメリカ)
 世界ランキング6~8位(中国・日本・オランダ)
 世界ランキング9位以下(セルビア・ドミニカ共和国・ケニア)
 がそれぞれ振り分けられます。

 果たして日本は、予選ラウンドでどのチームと対戦するのか。今後の戦略をどう展開していくかも含めて注目です。


【パリ五輪出場国】※世界ランキング(6月17日時点)
フランス(19位・開催国)
ブラジル(1位)
イタリア(2位)
トルコ(3位)
ポーランド(4位)
アメリカ(5位)
中国(6位)
日本(7位)
オランダ(8位)
セルビア(9位)
ドミニカ共和国(11位)
ケニア(20位)

【VNL女子 準々決勝】
6月20日午後7時※日本時間
日本 対 中国 (バンコク・タイ)

【パリ五輪組み合わせ抽選会】
6月19日午後8時※日本時間
出場チームを3グループに振り分け、各グループ内4チームで予選ラウンドを実施

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。