バレー全日本男子にとって大会の最大の山場となる7日、世界1位ポーランドとの対戦へ向け、注目ポイントを元日本代表の福澤達哉さんが分析・解説する。

5日ドイツ戦は解説者として完全チェック

世界のトップ16チームによるバレーボール最強国決定戦、ネーションズリーグの男子大会で日本代表(世界ランク4位)はフルセットの激闘を制し、ドイツ(同12位)に劇勝した。福岡ラウンド2連勝で大会通算成績を5勝1敗とした。パリ五輪出場を確定させている日本にとっては、大会の結果がパリ五輪の組み合わせに影響する重要な大会となる。日本は次戦7日に世界ランク1位のポーランドと対戦する。※世界ランキングは6日現在

「ポイントはミドルブロッカーの成長」

ドイツ戦では“ミドルブロッカー陣の成長”が勝因に結びついたと福澤さんは分析する。
(ミドルブロッカー:主に前衛センターの位置で、ブロックやクイック攻撃の役割を担うポジション)

ドイツ戦得点上位者の石川祐希(28)、髙橋藍(22)、西田有志(24)、小野寺太志(28)

福澤達哉:
非常に石川祐希(28)、西田有志(24)、髙橋藍(22)の活躍も目立ったんですけれども、そこに加えてミドルブロッカー陣の決定力、攻撃の本数、そのあたりが非常に機能してたので、特に苦しい場面でも関田誠大(30)がきちんとミドルを使っていくことができる。この辺りに非常にミドルの成長というのを感じました。

5日ドイツ戦の日本の得点上位者は石川21点、西田21点、髙橋藍16点、小野寺15点であった。福澤さんが注目したのは攻守の要・ミドルブロッカー、小野寺太志(28)の15得点の活躍だ。

ミドルブロッカー小野寺太志(28)が15得点の活躍

福澤:
やはり小野寺選手が非常に機能してましたし、特にアタックライン、ネットから3mぐらいの位置から“ミドルが使える”事は日本の成長を強く感じましたし、そこで使えるという事が相手ブロッカーの的を絞らせないというので、非常に重要になってくる。これはオリンピックでメダルを取る上でも大きな鍵になってくるんじゃないかなと思います。

次戦は世界ランク1位のポーランド

次戦は7日に世界ランク1位のポーランドと対戦する。
福澤:
今、ポーランドは世界ランク1位で世界のトップのチームと言えると思う。本当に全てのレベルが高いですね。その中、サーブとブロックが非常に強力なチームなのでそこに対して真っ向勝負をするのではなくて、いかにラリーを長く続ける事が出来るか…その中でキーポイントになってくるのがブロックカバーであったり、ディフェンスっていうところになってくるので、相手の高いスパイク、力のあるサーブーに対してきちんと上げて、繋いで繋いで繋いで、最後、決め切る。そういったシーンをより多く出すことができれば、日本のペースに持っていけるのではないかなと思います。やっぱり、途中パワーで抑える者もちろんあったのですが、やっぱり日本が一番いい状況の時というのは2回3回4回とラリーが続いてそれを決めきった時…このプレーが出ている時というのは、日本が一番調子がいい時だと思うのでそういうポイントで見て貰えば、いいかなと思います。

五輪に向けての試金石となる一戦に総力戦で挑む

福澤:
まさにこのオリンピックの前にこの世界トップのチームと戦える、特に一番大きな大会かつ日本で戦えるというのは、今の選手であっても非常に大きなポイントになると思います。まさにオリンピックに向けての試金石になると思うので、やっぱり総力戦ですね。コートの中の選手、外の選手、そしてベンチも含めて今の日本の実力っていうのを全てぶつけていってほしいです。やはりここで勝つという事が、一気にこのオリンピックのメダルという所の現実味というのが選手にとってもそうですし、見てる方にとっても感じられる試合になると思うので、私自身も注目してみたいと思います。

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