能登半島地震の被災地を元気づける優勝です。3日、金沢市内で行われた県高校総体男子サッカー決勝。能登半島地震で校舎やグラウンドが被災した七尾市の鵬(おおとり)学園が、能登地区の高校としては53年ぶりの優勝を果たしました。

3日、金沢スタジアムで行われた石川県高校総体の男子サッカー決勝。対するのは、インターハイ常連の星稜(せいりょう)と能登半島地震で被災した鵬学園です。

七尾市にある鵬学園高校。能登半島地震で校舎の至る所にひびが入り、グラウンドやテニスコートは液状化の影響で使えなくなるなど大きな被害が出ました。さらに選手達が生活していた寮も…

鵬学園 上坂俊就校長:
「建物はまだちょっと保ててるんですけど、結局この周辺の地盤が液状化していて、もうちょっといまは戻ってこいとは言えない状況で…」

いまは別の施設を改修するなどして生活しています。グラウンドが使えないため、練習は1時間ほど離れたかほく市の競技場で行ってきました。

こうしてつかんだ決勝の舞台。スタンドには、全校生徒およそ320人が駆けつけ、エールを送ります。

試合は開始早々、星稜に先制を許し、0対1で折り返します。

応援に駆けつけた生徒は、「0対1で負けてるんですけど選手のみんなを信じてるんでこれから逆転してくれると思います。」と逆転を祈っていました。

鵬学園は、後半5分クロスからの折り返しを能勢が決め、鵬学園が同点とします。

試合は膠着状態が続き…アディショナルタイムへ。

すると、途中からはいった和田(わだ)が左サイドから左隅に逆転のゴール。このあとさらに1点を追加した鵬学園。悲願の初優勝を果たしました。

能登地区の高校としては、1971年の羽咋工業(はくいこうぎょう)以来、実に53年ぶりの優勝です。

上坂校長:
「本当によくやったと思います。まだ寮の生活も前の状態にはまだ戻ってないのでこれからもまた苦労かけますけどそれが糧になればいいなと思ってます。」

能登半島地震から5カ月。多くの苦難を乗り越え、学校一丸でつかんだ全国切符。被災地の期待を背に、鵬学園は来月、福島県で開催される全国高校総体に出場します。

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