バレーボールネーションズリーグの第2週が4日に福岡・北九州市で開幕する。日本(世界ランク4位)は石川祐希(28)、髙橋藍(22)が合流し、福岡ラウンドの初戦をイランと(同16位)戦う。第1週のブラジルラウンドの4戦目、イタリア戦の試合の解説を務めた元日本代表の福澤達哉さん(37)に、ここまでの戦いと今後の展望を聞いた。

熊崎風斗アナウンサー:(第1週の最終戦で)日本はセットカウント3対1、イタリアに敗れました。ブラジルラウンドを3勝1敗ということになりました。イタリア戦、どうでしたか。

福澤達哉さん:1セット目は素晴らしかったですよね。日本の粘りといい、やっぱりこの試合でチャンスを与えられた選手も含めて、日本らしいバレーボールを非常に大きく展開してくれたと思うので、やっぱりすごいなって、日本はすごいなってシンプルに思いましたけど。イタリアもまだオリンピック決めてないっていうところで意地を見せてきた、そういった意味では良かった点と、課題に残る点というのはいいバランスで出た試合だったんじゃないかなと思いますね。

熊崎:ブラジルラウンドでの戦いは4試合あって結果的には3勝1敗。ここの成績についてはどうですか。

福澤:大会始まる前に(フィリップ・)ブラン監督が言ってましたけど、単に選手をいろいろ試すだけじゃなくて順位も気にしていかないといけないっていう中で、オリンピックに向けてどの順位でオリンピックに入るかっていうのは非常に重要。この1週目キャプテンの石川(祐希)選手、そして高橋藍選手がいない中で、相手が全てオリンピックの出場権をかけた勢いを持って戦ってくる。ここの1週が非常に大事だっていうことを選手もそうですし、監督も特に言ってたので、その中で3勝1敗ですよ。特にキューバ戦なんかはもう、首の皮一枚で。

熊崎:8回マッチポイント取られたんですかね?

福澤:すごいですね。なのであれを見てて、何回腰が浮いたかっていうていうのがあったぐらいなので。そこを勝ちきるチーム力というか、そういったところを底上げっていうのはすごく感じましたね。

熊崎:1週目4試合、いろんな選手の活躍ありました。難しいですけど、この選手の印象に残ったぞっていうプレーヤ―は誰でした?

福澤:そうですね、全体通して、やっぱりすごいなと思ったのは西田(有志)。ここぞというところで欲しいところの点数を全て取ってくれてましたし、やっぱり何か石川選手、高橋藍選手がいないっていうことが逆に火をつけてるかのような。「俺がいるから大丈夫だよ」それぐらいの活躍をしてくれましたし、それに合わせて甲斐(優斗)選手。今回初スタメンで初戦からずっとパフォーマンス高くやってますけど、高橋藍選手が来たときもそうですし、西田選手が初めて代表来たときもそうですけど、この若い選手のスポンジ感のような吸収力、これ素晴らしいですよね。

甲斐選手

熊崎:なんかこの4試合でどんどんまた成長してるんじゃないかっていうような甲斐選手のプレーぶりでしたよね。

福澤:日本で一番欲しいピースだったんですよね(身長)2m、高さのあるアウトサイドヒッターっていうのは。ただ日本の中でいくと高さはあっても器用さっていう、ここがなかなかバランスっていうのが難しい中で、多分皆さん見てたらわかるとめっちゃ器用なんですよね。
ただ高く打つだけじゃなくてロールショットやったりとか。昨年初めて呼ばれて、ブランバレーっていうところを吸収していかないといけない中で、たった1年でここまで理解してプレーできるかっていう、ここの適応力も非常に高くあるなっていうのを感じているので、ここはブラン監督も非常に買ってますね。「非常にtalented(才能がある)」だっていう話をしてたんですけどどこまで伸びるかすごいわくわくする選手。それは私も見てて思いますね。

熊崎:メンタル面で考えても、キューバ戦で、もうこのサーブが駄目だったら負けですよっていうところで、何か表情としては飄々と、置きに行くでもないしっかりと打ち切ってサーブをボンボン。あそこから結果的に勝利に繋がったじゃないすか、あのメンタリティーってどうなんですか?

福澤:私もインタビューさせてもらうことあるんですけど、もう本当にほわんとした。わかんないすけど、いわゆる鈍感力みたいなはいそういったところが多分長けてるのかなと思いますし、あとはもう若さ。若さゆえの勢い。今はまだ、そのプレッシャーとかそんなことよりもまず自分のやりたいこと、やるべきことをやっていくんだみたいなそういう姿勢がすごく見えているので、それは今の日本にとってもすごくプラスになってますよね。

熊崎:日本は本当に3勝1敗で面白い、すごいなっていうシーンがたくさんあったんですけど次はいよいよ福岡です。石川(祐希)キャプテン、高橋藍選手合流ということでもう日本代表としては完全体になると言っても過言ではないと思いますけど、ここからの期待を教えてください。

福澤:そうですね。まずこの日本のバレーが日本で生で見られるっていう、これが今私も非常にわくわくしてますし、そこに今季イタリアでね、素晴らしい結果(セリエAで石川選手3位、髙橋藍選手2位)を残した2人が入ってくるっていうところで、またもう一段周りの選手も刺激が出るでしょうし、チーム内競争やってチームの雰囲気っていうところも含めて、また一つ上のステージに入ると思う。入ったときに第1週、良い流れてきた中で、その2人が入って、またどういった化学反応が起きるのかっていうところ、このあたりも非常に期待ですよね。

熊崎:石川選手が高橋藍選手にしてみても、自分たち不在の中で3勝1敗でイタリアからもセットを取ってみたいな、ちょっとウズウズした思いとかそういうのってどうなんですか。

福澤:いやあると思いますよ。もう、今すぐにでも駆けつけたいっていう、これを石川選手がイタリアから帰ってきて、次の日に練習したいって言ってたらしいです。だからこういうプレーを選手に見せられると、もう今か今かって肩をぶん回して待ってると思いますよ。

熊崎:まずはイラン。その後ドイツ、ポーランド、スロベニア。ポーランドはどういうメンバーが来るのかちょっとわからないですけど、世界ランクNo.1と福岡でぶつかるわけですから。

福澤:やっぱりここがオリンピックに向けてもう一つの試金石になると思いますし、ポーランドも同じく選手層が厚いのでもう本当に総力戦になってくると思いますから。ポーランドだけじゃなくてイラン、ドイツ、ポーランド、スロベニア。非常に楽しみな試合が続きますね。

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