スクウェア・エニックス・ホールディングスは本日(2024年5月13日),2023年3月期(2023年4月1日〜2024年3月31日)の決算短信(PDFファイル)を発表した。

 発表によると,売上高3563億4400万円(前期比3.8%増),営業利益325億5800万円(同26.6%減),経常利益415億4100万円(同24.1%減),当期純利益は149億1200万円(同69.7%減)となった。

 主な要因として,主力のデジタルエンタテインメント事業の一部の主要コンテンツ開発を中止したことに伴い,コンテンツなどの廃棄損220億8700万円を特別損失として計上したことを挙げている。

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スクウェア・エニックスHD,コンテンツ制作勘定の廃棄損として特別損失を約221億円計上する見込み。HDゲームタイトルの開発方針を見直し

 スクウェア・エニックス・ホールディングスは本日(2024年4月30日),2024年3月期にコンテンツ制作勘定の廃棄損として,特別損失を約221億円計上する見込みとなったことを発表した。2024年3月期の連結業績見通しについては,ほかの要因も含め現在精査中としており,業務予想修正の必要がある場合は,速やかに公表するとしている。

[2024/04/30 17:03]
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 セグメント別でみると,デジタルエンタテインメント事業の売上高は2481億900万円(同1.0%増),営業利益は254億6800万円(同38.3%減)で増収減益となった。

 同事業のHD(High-Definition:ハイディフィニション)ゲームについては,「FINAL FANTASY XVI」「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター版」「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」などを発売したことにより,前年同期比で増収となった。一方,開発費の償却負担や広告宣伝費の増加に加えて,コンテンツ評価損が前年比で増加したことなどにより,営業損失が拡大したという。
 また,MMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)では,前年同期比で減収減益となっている。

 スマートデバイス向けやブラウザのコンテンツにおいては,2023年6月に「ドラゴンクエスト チャンピオンズ」,同年9月に「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」のサービスを開始したが,既存タイトルの弱含みなどにより,前年同期比で減収減益となった。

 アミューズメント事業では,売上高は615億6900万円(同9.2%増),営業利益は75億6600万円(同43.2%増)となっている。既存店売上高が前年を上回ったことで,前年同期比で増収増益となった。

 また,出版事業の売上高は310億8900万円(同6.6%増),営業利益は119億8400万円(同2.9%増)で増収増益。ライツ・プロパティ等事業も売上高は189億2400万円(同20.8%増),営業利益は56億5800万円(同52.0%増)となり,増収増益となっている。


 2024年3月期決算に合わせて,2025年3月期から2027年3月期にかけての新中期経営計画資料が公開された。

 この資料では,当期純利益が前期比69.7%減になるなど大幅減益になったことを受けて,立て直しを図るために各事業における今後の戦略計画を説明している。

 さらなる成長に向けた再起動の3年間として,DE(デジタルエンタテインメント)事業の開発体制最適化による生産性向上,経営基盤のさらなる安定化に向けた各種施策の導入など4つの戦略が掲載されている。

 DE事業の開発体制最適化による生産性向上では,“「確かな面白さ」をお届けする「量から質」への転換”,同社ならではの面白さを提供するタイトル開発への注力や開発体制の整備などを目指していくとしている。

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