G・O・Pは,同社のポータルゲームサイト「Pmang」にて,MMORPG「BLESS UNLEASHED」を今春にサービスインする予定だ。


 「BLESS UNLEASHED」ってサービス中じゃないの? と気づいた読者もいるだろう。そのとおりで,実はVALOFEによってSteamで同名作品がサービス中だ。
 今回紹介するPmang版は,Steam版と基本的な内容は同じだが,細部が異なるバージョンになっている。今回,G・O・PでPmang版をプレイしてきたので,本稿ではその違いと,Pmang版に追加された独自のシステムを紹介しよう。




「BLESS」の歴史を少しおさらい


 せっかくなので,ここで「BLESS」および「BLESS UNLEASHED」の歴史について少し触れておこう。
 「BLESS」は,韓国のNEOWIZが開発,サービスを行っていたファンタジー世界が舞台のMMORPGだ。2016年初頭に韓国でのサービス開始を皮切りに,欧米,そして日本などでサービスが行われた。しかし,2019年8月8日に日本でのサービスが終わり,現在ではすべての地域で終了となっている。


 「BLESS」最大の特徴は,神聖同盟ハイロンとユニオン連合という2つの勢力を中心に,大陸の行く末を決める戦いを描いたことだろう。アカウント作成時にどちらの勢力に属するかを決めて冒険を繰り広げるのだが,そのアカウントでは別勢力にキャラを作成できなくなる仕様だ。また,相手勢力と最大で100vs.100の大規模PvPが行われることもあった。


 ゲームのシステムはアクションタイプのMMORPGで,戦闘はターゲティングタイプとノンターゲティングタイプを,プレイヤーの好みで選択可能だ。個人的には,受託したクエストに関わるフィールドに近づくとシームレスでインスタンスエリアに切り替わってクエストが進行するのが印象的だった。


 「BLESS」サービス終了から約1年後,バンダイナムコエンターテインメントによって,「BLESS」の世界観を受け継いだMMORPG「BLESS UNLEASHED」がXbox Oneでサービスインした。登場人物や種族,地名などに「BLESS」の名残りはあるものの,オープンワールドのMMORPGとしてまったく別のゲームに生まれ変わっている。
 その後,PlayStation 4でもサービスイン。2021年8月6日にはNEOWIZによってSteamでのサービスも始まったが,2022年1月にNEOWIZからサービスを移管されたVALOFEにより,現在もサービスが続いている。


 「BLESS」と「BLESS UNLEASHED」の大きな違いは,よりアクション性の強いノンターゲティングタイプのバトルシステムを採用したことにある。
 プレイアブルキャラクターは6つのクラスと4つの種族を組み合わせて作れ,また「ブレス」というアクティブスキルとパッシブスキルを併せ持つスキルの組み替えシステムにより,同じクラスでも特性やプレイフィールの異なる幅広いプレイスタイルを選択できるようになっている。

ブレスには戦闘ブレスと生活ブレスの2タイプあり,戦闘ブレスはバトルに関する恩恵が受けられる。生活ブレスは,採集や生産などにボーナスが付く

オープンワールドでありながら,ストーリードリブンのMMORPGとしての面もある「BLESS UNLEASHED」。ただ,現在ではオープンワールド性は少しなりをひそめ,ストーリーが重視されているようだ。なお,「BLESS」のような2大勢力という要素はなくなっている

フィールドには巨大なモンスターが出現することもあり,近くにいるプレイヤーと協力して戦う,MMORPGらしい大規模レイドバトルも体験できる


同じ「BLESS UNLEASHED」でも中身は異なる? Steam版とPmang版の違い


 「BLESS」から現在の「BLESS UNLEASHED」までの経緯は分かってもらえたと思うが,読者が気になるのは現在運営されているSteam版と,新たに始まるPmang版の違いについてだろう。

 大きな違いは2つあり,1つはPmang版にはSteam版にない新コンテンツが導入されること,もう1つは全体的なバランス調整が行われていることが挙げられる。

 新コンテンツは,Steam版への導入予定は今のところないという。ただ,Pmang版で評判が良かったものは,Steam版に導入される可能性があるとのこと。逆にSteam版で評判のいいコンテンツがPmang版に導入される可能性もあるらしい。現状ではどちらもその予定はなく,Pmang版の新コンテンツは,Pmang版独自のものと考えても差し支えないだろう。

 もう1つの全体的なバランス調整については,メインクエストの導線やクエスト内容の調整,インベントリの拡張(ならびに拡張のしやすさ),近接クラスと遠距離クラスの格差是正を始めとするバトル関連のバランス調整,敵モンスターの調整(とくに序盤に出現するモンスターの弱体化)など,さまざまな部分に手が入っている。
 これは,例えばソロでも先に進みやすくなるような調整だったり,よりプレイしやすい環境の構築だったりとSteam版サービス開始時のバランスから,現在のトレンドに合わせた変化の一環で,部分的にはSteam版でも採用されている調整だ。それを,より日本向けに調整したものがPmang版として導入されることになる。

「BLESS UNLEASHED」サービス開始当初は,メインストーリーのクエストクリア条件に,数十人がかりでなんとか倒せるようなフィールドボスの撃破というものもあった。現在はフィードボスの撃破はサブクエストになっており,メインクエストで触れなくてもいい

 なお,サービス形態とアカウントについては,Steam版もPmang版もサービス形態は基本プレイ無料+アイテム課金で違いはない。ただし,Steam版とPmang版のアカウントは完全に別物となり,共有などはできない。


プレイヤーキャラクターと共に成長するアドバンス武器


 今回の先行テストプレイでは,Pmang版の独自コンテンツのうち,2つに触れられたので,その内容を紹介しよう。

 1つめの独自コンテンツは「アドバンス武器」だ。この武器は1キャラクターにつき1つだけ入手可能で,キャラクター同様にレベルを上げることで成長していく。入手方法は,最序盤のクエストで「ウルフキング」を撃破して,アドバンス武器の素材となる「天外の隕鉄」を手に入れることだ。

ゲーム開始地点からほど近い場所に出現するウルフキング。最初に出会うフィールドボスで,みんなで寄ってたかってウルフキングを倒し,ドロップする装備品を得てから先に進むのが通例だった

 この「天外の隕鉄」を持って街のアドバンス武器職人のもとへ行くと,アドバンス武器を製作できる。

アドバンス武器は,そのキャラクターのクラスに対応した武器のみ製作可能で,販売や破壊,抽出,捨てるなどはできない。ただ,この時点で入手できる一般的な武器よりも強く,作らない手はない

 アドバンス武器のレベルを上げるには「成長の結晶」というアイテムを使用する。武器のレベル上限は,その時点のキャラクターのレベルまでだ。

アドバンス武器のレベルは武器ウインドウの下に緑地に白抜き文字で表記されている。レベル上げに必要な成長の結晶は,地域クエストなどをクリアすると手に入る

最初のアドバンス武器となる無尽の弓のLv0とLv10を見比べると,レベルアップによる攻撃力の違いは一目瞭然。なお,最初のレベルがLv0から始まるのかLv1から始まるのかはまだ調整中とのことだ

 アドバンス武器のレベルが上限に達すると,1つ上の等級のアドバンス武器の製作が可能になる。もちろんさらなる素材が必要で,通常の採集だけではなく,ボス討伐報酬,クエスト報酬など素材の入手先は多岐にわたる。

上位等級のアドバンス武器の素材の1つとして,現在所持しているアドバンス武器も必要となる。アドバンス武器のレベルは,上位等級になっても引き継がれ,例えばEティアのアドバンス武器のレベル上限はLv5で,これを素材にDティアのアドバンス武器を作ると,Dティアのアドバンス武器はLv5からのスタートとなる

 アドバンス武器は成長させられるだけでなく,追加でオプション能力や素質を付与できる。これらには「砥石」というアイテムとゴールド(ゲーム内マネー)が必要となる。

 オプションは,アドバンス武器製作時に1つのみ付与されるが,オプション再付与により,オプションを再付与可能だ。付与できるオプション数は武器のティアによって変化し,Dティア以上からは3つまで付与可能で,Sティアになると最大で8つも付与できるらしい。

「無尽の弓・極」ウインドウ内のオレンジ色の文字で書かれているのがその武器の等級で,右上の「S+」がティアを表している。等級が高いものほど攻撃力が高く,ギアスコアもアップする。等級は武器の強化でランクアップが可能だ

オプションはキャラクターのパラメータをアップしたり,特定のスキルの効果を上げられるものなどがある。砥石とゴールドさえあれば,何度でも挑戦可能だ。再付与の内容に納得がいかない場合は,再付与をキャンセルできる

 素質は,アドバンス武器そのものの能力を底上げできる要素で,その武器の「デキの良さ」,ほかのMMORPGで言うなら「品質」が近い言葉だろうか。こちらもオプション再付与と同様に砥石とゴールドを消費して再付与できる。

素質の値は再付与で下がることもある。素質の数値とオプションは,上位等級のアドバンス武器製作時に引き継がれるが,オプションの数値は上位等級に見合った数値に変換される

 プレイヤーのレベルに合わせて成長,ランクアップできるアドバンス武器があれば,ほかの武器は必要ないんじゃないか,と思わせるほどの強さがある。ただし,素材や成長アイテムの入手具合によっては,ダンジョンなどでドロップする武器のほうが強いタイミングもあるという。アドバンス武器をメインに添えつつ,キャラクターの育成やゲームの進行具合によって通常の武器と使い分けていくのが賢い使い方と言えそうだ。

少し強化したアドバンス武器なら,適正レベル以下でもフィールドボスをソロで狩れた。装備の更新の機会が少ない序盤は,とくにアドバンス武器が活躍してくれそうだ


ペットを育成してキャラクターもパワーアップ! たくさんの卵をゲットしてブリーダー的な活動もできる?


 もう1つの独自コンテンツが「ペット」だ。Steam版にもペットコンテンツはあるのだが,それとは異なる形になるという。

 まずペットを手に入れるところから始める必要があるが本作のペットは卵から生まれる。Steam版は卵を含め,各種アイテムはダンジョンを周回していればすべて手に入るが,Pmang版ではフィールドで発生する神託クエストのクリア報酬や釣り大会の報酬,テイムしたモンスターを「領地」の畜舎に収めるなど,卵を得るコンテンツは多岐にわたる。

 ともあれ,各種コンテンツをこなして卵を得たら,まず孵化場にセットして孵るのを待つ。

卵は雑貨に分類されるアイテム。ランダムペットエッグは,何が生まれるか孵るまで分からない。ちなみに卵にもレアリティがあるようだ

手に入れた卵は孵化場にセット。ゲーム開始時には1つしか開放されていない。ほかのスロットは,有料要素などで開放できる(永久ではなく時間単位の開放)。孵化するまでの時間は非常に長いが,それを短縮するアイテムもある

 孵化したペットは,いくつかオプションを備えている。これらのオプションはプレイヤーキャラクターの能力やスキルを底上げするものだが,それらの効果を発揮させるにはペットのレベルを上げなくてはならない。

今回生まれたペットはイノシシ。オプション名の左に[Lv 5]や[Lv 10]といった表記があり,これはそのレベルに達したら左のオプションの効果が発揮されるという意味だ。なお,キャラクターのクラスと関係のないオプションが発現した場合,そのキャラにとっては無意味なオプションとなる

 レベルアップ用の経験値を得るためには,ペット設定で対象のペットをスロットにセットして戦う必要がある。ペットをセットできる数は,メインペットが1つと,サブペットが2つの最大3つ。メインとサブの違いは,メインにセットしたペットは経験値の獲得とキャラクターへのオプション効果の発揮,サブのペットは経験値の獲得だけとなる。

ペットをセットすると,キャラクターの横に登場して一緒に行動してくれる。残念なことに,ペットは戦闘に参加してくれない

 レベル上限まで育成したペットは,上位等級のペットに進化させられる。進化にはレベル上限まで育てた同等級のペットが2体必要で,進化の際にペットが習得しているオプションは,2体が習得しているオプションの中からランダムで引き継がれる。進化できるペットの等級はレジェンドまで(※下位から「ノーマル」「マジック」「レア」「エピック」「レジェンド」)で,レジェンドになるとオプションとは別に「ペットスキル」を覚えられる。

進化させるペットは,先にセットしたほうの外見が受け継がれる。進化させるとペットのレベル上限と,習得できるオプションの数が増える

ペットスキルはペット専用のスキルブックを使って2つまで覚えられる。同じスキルは習得させられない。ペットスキルを覚えても相変わらずペット自体は戦わないが,バトル自体には貢献できる

 そのほかに,先ほどのアドバンス武器のようにアイテムでペットのレベルを上げられたり,同等級のペット2体を使用してオプションをランダムで入れ替える「ペット変異」,逆にオプションを維持したままペットの外見を変更する「ペット外見変更」などがある。
 また,レジェンド等級まで育成したペットは「ペット封印」で封印して,取引所へ流せるようになる。せっかく育てたが自分のクラスに関係ないオプションを持っている場合に活用すると良さそうだ。

冒険に連れ歩くだけでなく,ペット経験値ポーションを使用することでもペットのレベルを上げられる。削除でお願いします。どんどんペットのレベルを上げて進化を重ねよう

 新たにPmangでサービスが始まる「BLESS UNLEASHED」。アクションやUIなどの基本的なシステム,またゲーム内のフィールドや街などにある施設はSteam版とほぼ同じだ。以前Steam版をプレイしたことのあるプレイヤーならば違和感なくプレイできるだろう。さらに,Pmang版は新たなコンテンツが盛り込まれているため,Steam版を辞めたプレイヤーが再スタートを切るのに,ちょうどいい機会とも言える。もちろん,新規でプレイする人は新たな体験ができるMMORPGとして楽しめるはずだ。

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