プレッジ(支援)の締切は2024年12月24日11:00だが,目標となる2万5000ドル(約390万円)はすでに達成しており,本稿の執筆時点では10万2000ドル(約1600万円)を超える成功を収めている。
「ボルトロン」は,5体のメカライオンが合体してゴライオンとなる「百獣王ゴライオン」と,15体のマシンが合体してダイラガーとなる「機甲艦隊ダイラガーXV」の映像を流用したロボットアニメシリーズだ。ゴライオンを編集した第1シリーズ「Lion Force Voltron」に続き,ダイラガーを編集した第2シリーズ「Vehicle Team Voltron」がアメリカで1984年〜1985年に放映され,大きな人気を獲得した。2016年には,「ボルトロン」をリブートした「ヴォルトロン」がNetflixで配信され,こちらも大きな話題になっている。
テーブルトークRPG「Voltron: The Roleplaying Game」には,「ボルトロン」をベースにしたバージョンと,「ヴォルトロン」をベースにしたバージョンのルールブックが存在する。コアとなるルールは同じだが,バージョンによってキャラクターやストーリーが異なるという。
どちらのバージョンでも,プレイヤーはメカライオンに乗り込む騎士「パラディン」として,仲間とチームを組んで戦う。人間同士の戦いのほかに,メカライオンによるバトルもルール化されており,合体してボルトロン(ヴォルトロン)になることも可能だ。
ただし,合体は簡単ではなく,難度の高いダイスロールを成功させなければならない。ここでは,ゲームマスターはパラディンたちの働きを観察し,チームワークが良ければダイスロールの難度を下げ,いがみ合っていたら難度を上げることが許されている。合体の際に「心を1つにする」というのは,日本の合体ロボットものによく見られる要素だが,これがTRPGのルールとして表現されているところが面白い。
ボルトロン(ヴォルトロン)は豊富な武装を持つが,使用の際にもチームワークが重要になる。成否判定のダイスロールでは2人のパラディンのスキルを参照し,「最も高いパラディンの〇〇スキルと,最も低いパラディンの××スキルで判定を行う」という仕組みになっているのだ。
例えば必殺の「BLAZING SWORD」の場合,チームの中で最も高いパラディンのClose Combat(接近戦)スキルと,最も低いパラディンのChannelling(神秘の力との同調能力),これら2つの値を組み合わせてダイスロールを行う。こちらでも合体ロボットに重要なチームワークが表現されており,日本のファンにとって,興味深い点だろう。
ルールについてはKickstarterのキャンペーンページからクイックスタートガイドをダウンロードできるので,気になる人はチェックしてほしい。
プレッジは20ドル(約3100円)で「ボルトロン」と「ヴォルトロン」のいずれか,また30ドル(約4700円)で両バージョンのPDF版が手に入る。
40ドル(約6300円)で協力型ボードゲーム「Voltron Board Game」が,50ドル(約7900円)で「ボルトロン」と「ヴォルトロン」,いずれかのPDFおよび紙のルールブックとゲームマスタースクリーンのセットが用意される。さらに100ドル(約1万6000円)では,両バージョンのPDFとルールブック,ゲームマスタースクリーンが入手可能とのこと。
アドオンとしてエナメルのピンバッジや金属製ダイス,制作者であるJason Hardy氏とオンラインでプレイできる権利が用意されている。
肝心の日本語対応については,あまり期待できないようだが,日本のロボットアニメが編集され,海外で人気を博したという事実も面白く,これが海外クリエイターの手でTRPG化されるというのもまた,興味深い出来事と呼べそうだ。
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