XL2586Xは,24.1インチサイズのTN方式液晶パネルを採用するディスプレイだ。eスポーツ特化型ということもあり,解像度は1920×1080ドットである。
TN方式液晶パネルと言えば,応答速度が速く残像感が少ない映像を表現できるため,とくに高リフレッシュレート表示に特化したeスポーツ向けディスプレイでよく使われている。しかし,色再現性が低く,映像美を堪能するタイプのゲームにはまったく向かないという欠点があった。XL2586Xでは,その点を改善したのがポイントで,パネルにカラーフィルムを貼り合わせることで従来型TN液晶パネルよりも色域を35%向上させ,デジタルシネマ向けの色空間規格「DCI-P3」のカバー率は,95%に達しているそうだ。
IPS液晶パネルやVA液晶パネルを採用するディスプレイでは,より優れた色再現性を有するものが珍しくないが,これまでおざなりにされてきたTN液晶パネルの色表現力向上にメスを入れたという点で,XL2586Xは重要な製品と言えようか。
XL2586Xにおけるもうひとつの重要な特徴は,BenQ独自の残像感低減技術「DyAc 2」(ダイアク ツー,関連記事)に対応していることだ。左右2辺に組み込んだバックライトを制御することで,従来よりもきめ細かい残像感低減を行えるので,この点でもeスポーツに向いている。
540Hz表示が可能なeスポーツ特化型ディスプレイでありながら,TN方式の欠点だった色再現性を改善してきただけに,XL2586Xは注目を集めそうなディスプレイと言えよう。ただ,17万円という価格は高いハードルとなりそうだ。
●XL2586Xの主なスペック
- パネル:24.1インチ,TN方式
- バックライト:LED,フリッカーフリー
- パネル解像度:1920×1080ドット
- 最大垂直リフレッシュレート:240Hz
- ディスプレイ同期技術:未公開
- HDR対応:未公開
- 輝度:320cd/m2
- 表示色:約1677万色
- コントラスト比:1000:1
- 視野角:左右170度,上下160度
- 中間調応答速度:0.5ms
- 内部フレーム遅延:未公開
- ビデオ入力インタフェース:DisplayPort 1.4×1,HDMI 2.1×3
- そのほかの接続インタフェース:3.5mmミニピンヘッドフォン出力×1,S Switch専用端子×1
- USBハブ機能:非対応
- スピーカー:非搭載
- チルト(上下回転):−5〜+35度
- スイーベル(左右回転):左右45度
- ピボット(縦回転):非対応
- 高さ調整:上下155mm
- VESAマウント:100×100mm
- 公称消費電力:45W(最大),19W(標準),0.5W以下(待期時)
- 公称本体サイズ:576.15(W)×181.68(D)×350.56〜517.3(H)mm(※スタンド含む)
- 公称本体重量:約5.9kg(※スタンド含む)
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