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「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜」ゲネプロレポート。信頼しあう劇団員たちの絆が,最高の芝居を作る新生冬組公演
ライター:唐傘 カメラマン:永山 亘
リベル・エンタテインメントが手掛けるイケメン役者育成ゲーム「A3!」(iOS / Android)を原作とした舞台「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜」(以下,エーステ)の東京公演が,2024年4月9日に開幕した。本公演では,「新生冬組第五回公演『剣に死す。』」(主演:高遠 丞),「新生冬組第六回公演『Risky Game』」(主演:御影 密)の上演にまつわるストーリーが描かれる。2024年5月12日の大千秋楽まで,東京,愛知,大阪の三都市で上演予定だ(ライブ配信についてはこちらをチェック)。
本稿では,関係者&マスコミ向けに行われたゲネプロ公演の模様と,キャスト陣のオフィシャルコメントをお届けする。なお,公演写真やネタバレとなる記述が含まれるので,観劇予定の人は注意してほしい。
丞と密は公演を通して
それぞれの過去と向き合う
舞台は,過去の公演で主演を務めた新生冬組の劇団員たちが,これから主演を務める高遠 丞と御影 密を優しく招き入れるように手を伸ばす,印象的なシーンからスタートする。ハラハラと雪が舞う演出も新生冬組にぴったりで,とても美しかった。
第一幕で描かれたのは,丞が主演を務める「新生冬組第五回公演『剣に死す。』」のエピソードだ。
ある日,MANKAIカンパニーの寮に,丞の兄から大量の荷物が送られてくる。そのなかには丞が,これまで出演した作品の台本や小道具がぎっしりと詰め込まれていた。劇団員たちはその数の多さに驚きながらも,皆,興味深々で中身を見る。心から演劇が好きなことが伝わってくる微笑ましいシーンだ。
そんななか,丞が過去にもらったアンケートを大事にしていることが明かされた。しかし,信頼している劇団員たちにすら内容を見せてくれない。そのアンケートは丞にとって本当に大事なもののようだ。
皆木 綴が書き上げた「第五回公演『剣に死す。』」の脚本は,宮本武蔵を主人公にした硬派な時代劇だ。アクションの実力が評価されたガイが,準主演の佐々木小次郎役を演じることになる。新たな芝居に向けて気合が入るガイに,彼と縁の深いシトロンがエールを送るシーンは,笑いがありつつも温かな場面だった。
一方,主演の丞には,ほかの劇団からの引き抜きの話が来ていた。人気劇団GOD座の元トップスターであり,今回の公演でも劇団のチケット申し込みサーバーがパンクするほど人気役者である丞。さまざまな想いから彼自身,MANKAIカンパニーにいる意味に迷いが生まれていた。丞の迷いは芝居にも表れ,鹿島雄三やGOD座主宰の神木坂レニから酷評を受けてしまう。悩んだ丞は,稽古を一時中止とすることに……。
新生冬組メンバーも丞の迷いに気がついており,彼を信じて,自主練習をして待つことを選ぶ。言葉にしなくても,ちゃんと見守っている,冬組らしいステキな関係性が垣間見えた。
丞は,悩むなかでGOD座時代のことを思い出す。好きな芝居のために頑張っているのに,周囲との壁ができてしまう丞の過去の苦悩は,見ていて心が苦しくなった。そんな彼を当時救ってくれたのが,大切に持っていたあのアンケートだったのだ。
そして現在,丞に手を差し伸べてくれるのは,幼なじみの月岡 紬をはじめとした新生冬組の仲間たちで……。彼がどんな結論を出したか,ぜひ見届けてほしい。
「エーステ」の見どころの1つが,劇団員たちが作り上げた舞台(劇中劇)を実際に見られることだ。「第五回公演『剣に死す。』」は,迫力のある殺陣がたっぷりと用意された時代劇となっている。強者ゆえに孤独な宮本武蔵と,優れた役者ゆえに孤独だった丞の気持ちのリンクや,雪白 東の女形を含め着物姿の劇団員など見どころ満載だ。
第二幕で描かれる「新生冬組第六回公演『Risky Game』」のエピソードでは,新生冬組で唯一主演をしていなかった御影 密がついにメインを務める。
大切な存在を失った主人公と自分を重ね合わせ,「自分にしかできない」とやる気を見せる密。早い段階で鹿島から高評価を受けるほど,稽古は順調に進んでいく。しかし,ラストシーンの稽古で,未練が残っているように見えると鹿島から指摘されてしまう。密自身,無意識にそう演じてしまっていたのだ。
一方,稽古後すぐに眠ってしまったり,大好きなマシュマロを食べる量が減っていたりする密の様子を,皆,気にかけていた。密の過去を知る卯木千景に相談すると,自分とは違うからと言いつつも,役者としての彼を見守ってほしいとアドバイスをしてくれる。ここでも見守るという選択肢ができる,新生冬組らしい優しさに温かい気持ちになった。
しかし,迎えた公演本番のラストシーンで大きなミスをしてしまった密。屋根裏部屋に1人でいる彼に寄り添ってあげたいと,東は彼のもとへ。お互いに大切な家族を失った経験のある2人は,素直な気持ちを語り合うのだった。彼らの想いが本当に切なく,このシーンから終盤にかけて,筆者は涙をこらえられなかった。
自分のなかにある気持ちと向き合った密は,新生冬組の劇団員たちと一緒にある場所に向かう。そこで,彼の悲しみを溶かすような時間が待っていて……。悲しみを乗り越えて,前に進めるように背中を押してくれるステキなストーリーだ。
劇中劇の「第六回公演『Risky Game』」は,カジノを舞台にした大人の色気とスリルのある物語だ。ギャンブラーやディーラーに扮した劇団員たちがオシャレで,とにかくカッコいい! ポーカー勝負の手に汗握る緊迫感が伝わってくる演出にも注目してほしい。
最後は,キャスト全員によるパフォーマンスで舞台は幕を閉じる。客席にキャストが降りる演出もあるのでお楽しみに!
本公演の4月14日12:30東京公演千秋楽,5月11日12:30/18:00大阪公演,5月12日12:30大阪公演大千秋楽は,Streaming+とDMM TVでライブ配信が実施される(各税込4000円)。また,5月12日の大千秋楽は,全国の映画館でライブビューイングも開催予定だ。詳細は,公式サイト(外部リンク)で確認してほしい。
何度でも本公演の音楽や映像を楽しみたい人は,8月7日発売の「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜」MUSIC COLLECTION(税込3300円),9月25日発売の「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜」Blu-ray(豪華版 税込1万5180円,通常版 税込7480円)をチェックしよう。
新生冬組キャストのオフィシャルコメントを掲載
月岡 紬役:定本楓馬さん
僕にとってはじめての冬組単独公演です。今回、改めてこの作品がどれだけの人に愛されているかを実感しました。
冬組のみんな、演出の松崎さん、サポートしてくれるキャストの皆さん、スタッフさん、たくさんの心強いカンパニーの皆さんに支えていただいてここまで突っ走ることができました。 積み重なってきた想いを余すことなく皆さまにお届けできるよう、全力で頑張ります。
高遠 丞役:北園 涼さん
いよいよ今作の幕が開けます。開けて欲しいような開けて欲しくないような、今は複雑な気持ちです。それは、今作を終えてしまうと大切な仲間がこの舞台から1人降りてしまうから。始まってしまうとそのことを考える余裕も無いのですが、今回の公演のことを考えろと言われると思い出さずにはいられないです。
1公演1公演を大事にして、大切な仲間を送り出すという気持ちも込めて、これまで以上に監督に楽しんでいただけるように稽古してきましたので、その成果をぜひご覧ください。
御影 密役:植田圭輔さん
今回また冬組がACT2!シリーズの締めくくりをやらせていただくところまでたどり着きました。エーステとして月日が経ち、同時に作品内の物語も進んできて、キャラクターたちのそれぞれの過去や乗り越えるべきこと、6人になったそれぞれの組のなっていき方みたいなのを描いてこれたのかなと思います。
そして、僕が本作でエーステを卒業することとはなりましたが、ようやく密が主演のターンが回ってきたなという嬉しい気持ちでいっぱいです。
色々な気持ちがありますが、みんなとお芝居をつくれる、エーステでお芝居ができる、御影 密を演じるということに、今は本当に楽しみを覚えながら最後まで最高の物語を届けるということだけを念頭において、みんなで稽古をしっかりしてきました。
これからカントクと作り上げていく中でどんどん成長していく部分や、作品として物語をより良くするために精進して参りたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いします。
有栖川 誉役:田中涼星さん
MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜が無事に開幕すること、嬉しく思います。
個人的には2023年の冬組単独公演ぶりのエーステなので、久しぶりに誉さんを演じることにパッションを感じております。
また今回は冬組の新しいリーダー楓馬、そして植ちゃんの卒業と唯一無二でかけがえのない公演になるのは間違いないと思います。新鮮さや寂しさなどはありますがこれまで積み上げてきたもの、新しくできた絆を信じて皆さまにお届けできたらと思っております。
この新年度の季節にエーステを見て活力にしてもらえるような、背中をそっと押す力を届けられたら幸いです。
雪白 東役:上田堪大さん
ついに、MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜が開幕します。今回で冬組全員が、そしてMANKAIカンパニーの劇団員全員が主演を務めることになります。振り返ると、本当に色々なことがあったからこそ、とても感慨深いです。改めて、公演ができることに感謝の気持ちを込めてお届けしたいと思っています。
また新生冬組第五回公演、第六回公演の劇中劇どちらも、冬組でも珍しいような、でもこのメンバーだからこそできる作品になったのではないかと思います。なにより、主演の丞、密にとっても大事なお話が詰まっています。
みんなで支えあい、ここでしか感じられない幸せな時間を、カントクと共に過ごしていきたいです。
ガイ役:輝馬さん
いよいよ始まりますMANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜。皆さんに観劇や視聴していただける日を心待ちに精一杯稽古に励んできました。
個人的な思いとしては、皆さんに一幕と二幕の劇中劇の作中のギャップを楽しんでいただきたいと思っています。詳しくはお伝えできませんが、ぜひ観て楽しんでいただけたら嬉しいです。
僕も監督がどんな反応や感想を抱いていただけるのかを楽しみにしています。
カンパニー全員で真摯に本番に臨んでいきますし、僕も楽しみながら本番の板の上に立たせていただきます。
大千穐楽まで応援よろしくお願いします。
MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜
■日程
【東京】2024年4月9日〜4月14日
劇場:TOKYO DOME CITY HALL
【愛知】2024年4月19日〜4月21日
劇場:Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
【東京凱旋】2024年4月26日〜4月30日
劇場:東京国際フォーラム ホールC
【大阪】2024年5月5日〜5月12日
劇場:箕面市立文化芸能劇所 大ホール
■出演(敬称略)
【冬組】
月岡 紬役:定本楓馬
高遠 丞役:北園 涼
御影 密役:植田圭輔
有栖川 誉役:田中涼星
雪白 東役:上田堪大
ガイ役:輝馬
【春組】
佐久間咲也役:横田龍儀
皆木 綴役:前川優希
シトロン役:古谷大和
卯木千景役:染谷俊之
鹿島雄三役:鯨井康介
松川伊助役:田口 涼
飛鳥晴翔役:伊崎龍次郎
神木坂レニ役:河合龍之介
オーガスト役:和田琢磨
【アンサンブル】
伊藤智則
坂田大夢
山本耕大
佐山太一
佐藤 淳
高橋陸人
■STAFF(敬称略)
原作:イケメン役者育成ゲーム『A3!(エースリー)』
演出:松崎史也
脚本:亀田真二郎
音楽:Yu(vague)
振付:梅棒(伊藤今人 遠山晶司)
アクション:加藤 学
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(C)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
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