今年3月、新潟県燕市の入浴施設で意識を失って溺れた高齢男性を助けたとして救助に携わった客やスタッフに市から感謝状が贈られました。男性の命をつなぎとめたのは咄嗟の連携や普段の備えでした。
【燕市 鈴木力 市長】
「入浴中に心肺停止となった男性に対し、適切な救護措置を行い救命した」
5月22日、燕市の鈴木力市長から感謝状が贈られたのは燕市の入浴施設「てまりの湯」のスタッフと現場に居合わせた2人の男性客です。
【五十嵐美博さん】
「自分が一緒に湯船につかっていた。隣で顔がどんどん湯船につかっていく感じだった。それを繰り返されていて『大丈夫ですか?』と聞いたら『大丈夫です』と答えたので、大丈夫かと思っていたら数分後にもぐっていっちゃって」
【柳川光宏さん】
「沈んでいる姿を見たときに早くなんとかしないといけないという気持ち。1分1秒の命だったので、急いで無我夢中だった」
事故があったのは今年3月。
【記者リポート】
「男性が意識を失ったのはこちら深さ50cmほどの浴槽です。壁にもたれて座っていたところ男性は意識を失ったということです」
てまりの湯で入浴中だった70代の男性が意識を失って溺れ、客として異変に気付いた五十嵐さんたちが浴槽から引き上げすぐにスタッフに連絡。
【てまりの湯 乾博之 副支配人】
「脈がもう薄かったので、そのままここで心肺蘇生をやった」
男性の意識がなかったことから、スタッフが人工呼吸や心臓マッサージを10分以上にわたって行った結果、男性は意識を取り戻したといいます。
この時AEDも用意していましたが、スタッフの判断により使われませんでした。
【てまりの湯 乾博之 副支配人】
「体がぬれていて、下手な反応が出たらまずいなと思ったので、まず蘇生と人工呼吸を優先させた」
突然の事態でも冷静に対応できたのは普段の備えのおかげだと施設の担当者は話します。
【てまりの湯 乾博之 副支配人】
「(年2回)消防訓練とお客様が倒れた時の対応、AEDの使い方を訓練している」
【燕・弥彦総合事務組合消防本部 若林純一 消防長】
「119番通報されて、現場に着くまでにはやはり時間がある。その時間に何もしないのではなく、蘇生をしていただくことによって傷病者の社会復帰が叶うものだと思っている」
たまたま居合わせた客やスタッフの備えに基づく適切な対応が一つの命を救いました。
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