バスの運転手不足に対応するため、鹿児島県南さつま市では先週末から自動運転バスの実証実験が始まっています。

その乗り心地や市民の声を取材しました。

12月19日朝、南さつま市役所に停車する1台のバス。


バスは市民を乗せて、さっそく出発です。

安楽遥記者
「街中を走るあちらのバス、実は自動運転で進んでいます」

これはバスの運転手不足が深刻化する南さつま市が、民間企業と連携して12月14日から始めた、自動運転バスの実証実験です。

この試みは県内初。バスは約20キロで走り、車内にはコントローラーを持ったオペレーターがいますが、基本的に操作は行いません。

NTTビジネスソリューションズバリューデザイン部・佐々木瞭さん
「青でも赤でも信号機の位置では止まる設定にしていて、赤だったら自動で止まるので問題ないが、青で止まっちゃって後続の車が来ていると追突の危険性があるので、その時には自動走行からオペレーターによる手動走行に切り替える」

自動運転バスは、市内の商業施設や病院など、5つの停留所をめぐるルートを走ります。

1日5往復運行し、運賃は無料。

定員9人のバスに続々と乗り込む市民。

19日は目的地があるわけではなく、自動運転を体験するためにバスに乗ったといいます。

その感想はー

乗客
「快適だった。すごくよかった」
「免許を返納した時に利用しやすい便があればすごく助かる」
「不安だった。良くなったら車を運転しなかったら乗ってみたい」

一方、こちらは、南さつま市役所にある遠隔監視室。

バスに搭載されているカメラの映像や走行速度を確認しながら、バスが正常に動いているか監視しています。

NTTビジネスソリューションズ バリューデザイン部・佐々木瞭さん
「システムが自動で運転する世の中になってくると、人(オペレーター)が乗っていない車を遠隔監視室から監視して操作したりとなっていく」

実証実験は12月27日までで、バスに乗車するには専用のアプリから予約が必要です。

南さつま市・本坊輝雄市長
「お金を出しても『ドライバーがいません』と。(オペレーターが)それぞれ何台かの車を操作できるレベルまでやっていければと思うが、道路環境も信号機など色々なものを改善していかないといけないので、まずは第一歩」

少子高齢化によって様々な業界で叫ばれる担い手不足。

近い将来自動運転のバスが、地域の交通を支える日がやってくるかもしれません。

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