12月18日午前11時ごろ、和歌山県串本町にある民間のロケット発射場から小型ロケット「カイロス2号機」が打ち上げられた。
最高高度は110.7キロメートルで、スペースワンは「宇宙へ到達したといえる」とした一方で、約3分7秒で飛行中断措置を行った。
その理由について会見で「1段目のノズルの駆動制御に異常が発生し、想定の飛行エリアよりも西側に徐々にずれた」と発表した。
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■全長およそ18メートルの小型ロケット
この記事の画像(7枚)打ち上げられたのは東京のベンチャー企業「スペースワン」が開発した、全長およそ18メートルの小型ロケット。
■初号機は爆発 14、15日は延期
ことし3月に打ち上げが行われたカイロス初号機は、打ち上げ直後に爆発して『失敗』。
その後の「カイロス2号機」は強風のため12月14日、15日ともに打ち上げ中止となり、18日に延期されていた。
■「ミッション達成が困難と判断し、飛行中断措置を行った」とスペースワン
『スペースワン』は午前11時3分、空気との摩擦熱などから衛星を保護する「フェアリング」の分離が成功したと発表した。
しかしその後、「ミッション達成が困難と判断し、飛行中断措置を行った」と発表しました。
■「ノズルの駆動制御に異常 飛行中断は約3分7秒の時点で行われた」
『スペースワン』は午後2時半ごろからの会見で、『カイロス2号機』が飛行中断となった理由について、1段目のノズルの軌道制御に異常が発生し、想定の飛行エリアよりも西側にずれたため、飛行中断が行われたと発表した。
スペースワン 遠藤守取締役:1段目のノズルの駆動制御に異常が発生したことが分かっていて、ロケットの姿勢にも異常がみられています。1,2段分離、第2段の点火、フェアリングの開頭までは計画通りに進んでいることが確認できております。
スペースワン 遠藤守取締役:一方でその後想定の飛行エリアより、南方向に飛んでいくものが、西側に徐々にずれてまいりました。計画していた限界線を超えたために飛行中断が行われたと考えております。飛行中断は約3分7秒の時点で行われたことが分かっております。
■「一刻も早く原因を究明し再発防止策を明らかに」
スペースワンの豊田社長は今回の打ち上げについて、「一刻も早く原因を究明し再発防止策を明らかにしたい」としたうえで、今後の打ち上げに前向きな姿勢を示した。
スペースワン 豊田正和会長:今回のミッションは衛星を軌道を投入させる最終段階まで達成させることができませんでした。お客様、打ち上げにご協力いただいた関係者の皆様におわびを申しあげます。
スペースワン 豊田正和会長:『カイロス2号機』のロケットはミッション4のステップ3まで達成し、ステップ4の段階でリフトオフから約3分後に飛行中断の措置が取られました。原因は対策本部を立ち上げて調査中でございます。一刻も早く原因を究明し、再発防止策を明らかにいたします。
スペースワン 豊田正和会長:私どもは今回の事象を失敗とは捉えていません、今回得られた経験とデータは非常に貴重だと思っています。次の挑戦に向けての糧になると考えております。3号機に向けても加速することができると考えております。
また、打ち上げの最高高度は110.7キロメートルだったと発表した。
(関西テレビ 2024年12月18日)
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