アムウェイ本社取締役会共同議長のダグ・デヴォス

<ダイレクトセリング分野の草分けで、グローバル企業としても歩みを進めるアムウェイ。創業家メンバーの一人でその歴史も深く知るダグ・デヴォスに、同社の今後の展望を聞いた>

挫折や失敗もチャンスに、世界企業へと成長を遂げた。

1969年、米ミシガン州エイダで産声を上げたアムウェイ。小売店や問屋を介さず、販売員であるABO(アムウェイビジネスオーナー)が直接商品を販売する「ダイレクトセリング」というビジネスモデルを、今や世界100以上の国と地域で展開する。創業から65年を迎えた同社の歩みを、共同創業者のひとりリッチ・デヴォスの息子で取締役会共同議長のダグ・デヴォスはこう振り返る。

「65年間で、多くの浮き沈みを経験し、乗り越えてきました。事実、予想できることもあれば、予想できないこともありますが、私たちはその両方を乗り越えてきました。もし間違った決断をしてしまったら、解決策を見つけるために全力を尽くして、行動することが大切です。私自身も、挫折や失敗をチャンスだと考えています。」2年前には、日本でも行政処分を受けている。

ダグの父でアムウェイの共同創業者であるリッチ・デヴォス。ダグがビジネスの「師」としても仰ぐ、カリスマ的経営者だった。

「その過程でも、多くのことを学んでいます。アムウェイのビジネスに関わる多くの人々は正しい行動を実践していますが、ルールや法規、お客様を最優先にすることを理解してもらうために、さらに踏み込んだ企業努力を徹底する必要がありました。誠実な姿勢をもって正しいことを行うことにコミットメントをし、ご指摘に耳を傾け、事態を深刻に受け止め、登録モデルの改善など持続可能なビジネス環境の実現に向け、様々な施策を強化しました。これからもお客様に寄り添い、最善を尽くします」

創業者たちの「原点」が示す、次に進むべき道と新たなる挑戦。

アムウェイは、ダグの父であるリッチと、ジェイ・ヴァンアンデルの二人(ともに故人)が共同創業者。以来、双方のファミリーが密に連携する同族経営の企業としても知られている。2024年はジェイの生誕から100年の節目の年でもある。

二人三脚でアムウェイを育て上げたリッチとジェイ。その創業の志は、二人の子どもたちや次世代へと脈々と受け継がれている。

「父リッチも2026年に生誕100周年を迎えます。創業家のメンバーはこの記念の機会に、『自由』『家族』『希望』『報われること』といった、父とジェイが掲げた創業者の理念を改めて見直して、それらが事業の推進力となり、他と差別化する役割を果たしていると実感しています。」ダグは「希望」を例に挙げてこう続ける。

「経済不況、戦争、事業初期にあった挑戦、そしてやがてアムウェイを創ろうという夢、どんな困難な時期でも、父とジェイを導いたものは、『希望』でした。彼らは、『自分のビジネス』と『意義あるキャリア』という機会を通じて『希望』を提供することの重要性を認識していたのです。『希望』が人々に可能性を描き、具体的な夢を追い続けることを導く大切なものだと知っていました。「希望」は自信を与えてくれるものです。」リッチとジェイの「原点」に立ち返りながら、次の指針を確立してきた。

創業から3年目となる1962年のカナダ オンタリオ州進出を皮切りに、積極的に海外展開を進めてきた。日本は1979年から。

人を導く「価値観」を継承し、100年先を見据えて動く。

「そして今、私たちは新たな自信と明確なビジョンを持って未来を見つめています。注力するのは、質の高いヘルス&ウェルネスのソリューションと優れたビジネス機会の提供です。それらは、常に私たちの理念に根ざしており、実現に向けて邁進していきます」

栄養補助食品ブランド「ニュートリライト」シリーズの取り扱いを祖業とするアムウェイにとって、ヘルス&ウェルネス事業の再定義と注力は自然な流れだろう。ダグは、力を込めてこう話す。「世界規模で見ても、この領域は3630億ドルの産業です。人々はヘルス&ウェルネスのソリューションを求めています。そして同様に、柔軟な収入の機会を必要としています。アムウェイにはその両方があります。栄養補助食品やホリスティック・ヘルス・ソリューションにおける何十年にもわたる実績です。今後は、日々の栄養補給や腸からはじめる健康といった人々の基本的なニーズに応えるヘルス&ウェルネスのソリューションを提供するだけでなく、健康づくりを応援するコミュニティへのアクセスも提供します」

特に日本市場に関しては、強いリーダーシップと適切な戦略が揃っているという。「お客さまの具体的なニーズや目標に応じたご提案ができるように、新しいヘルス&ウェルネスのソリューションを導入しています。日本では非常に高い健康意識がありますが、これらの新しいソリューションの提供を通して、お客さまが自分に必要な製品や習慣を見つけ、求める結果を達成できるように支援していきます」

完成から四半世紀を経た、東京・渋谷の日本アムウェイ本社ビル。

この10月からは新CEOにマイケル・ネルソンが就任し、ビジネスの強化とアップデートをさらに加速させていく。「私たちは100年先を見据えています。その鍵となるのは、『人』と私たちを導く『価値観』です。成功するためには、知恵と情熱の両方が必要です。どちらか一方だけでは、時の試練に耐えるものを築き上げることはできません。スティーブ・ヴァン・アンデル(ジェイの息子)と私は、父たちの仕事を見て多くの重要な教訓を得ました。父は、ビジネスというものは常に世の中に良い影響を与えるものでなければならないと固く信じていました。そして才能ある起業家でもありましたが、彼の成功を導いたのはビジネスの眼識ではありません。人々をサポートすることこそが、真の幸せと充実感を得る唯一の方法であるというのが、父の熱烈な信念でした。この信念は、私たちが未来に向かって前進していく際にも、引き続き重要視され、継承されていきます。」

ブレない価値観の継承こそが、100年企業にとって必要なものである、とダグは断言する。「価値観を最優先に据え、それを社員やビジネスオーナーの次世代に受け継いでいくことを大切にしていきます」


ダグ・デヴォス Doug DeVos

アムウェイ本社取締役会共同議長

アムウェイ創業家メンバーのひとりとして、スティーブ・ヴァン・アンデルとともにアムウェイのグローバル全体の未来を見つめる。訪問販売協会世界連盟や全米ダイレクトセリング協会の会長など要職を歴任。ダイレクトセリング教育財団Circle of Honor Award受賞。

問い合わせ先/日本アムウェイ合同会社
https://www.amway.co.jp

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