【アブダビ=北松円香】米格付け大手ムーディーズ・レーティングスは14日、フランスの国債の格付けを「Aa2 (ダブルAに相当)」から「Aa3(ダブルAマイナスに相当)」に引き下げた。見通しは「安定的」とした。国民議会(下院)では左派、中道、極右の政党の勢力争いが続き「仏財政が今後相当程度悪化する」と判断した。
フランスでは12月上旬に議会で内閣不信任案が成立した。マクロン大統領は13日、辞任したバルニエ前首相の後継として中道のバイル氏を指名した。だが同氏も野党から十分な支持を得ていない。緊縮型の2025年度予算を成立させようとすれば、野党が反発し、再び内閣不信任案が成立する可能性がある。
ムーディーズは首相指名を受けて「次期内閣が来年以降、財政赤字を持続的に縮小できる可能性は極めて低くなった」と指摘した。債券市場では仏国債の金利が高止まりしており、財政赤字と政府債務の増大、調達コストの上昇という「負の循環が生まれる」(ムーディーズ)恐れがあるという。
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