日本に駐在する外国の大使館員や商工会議所の職員らに、福井県内の観光地を巡ってもらうツアーが、10日と11日の2日間行われました。自国に福井の魅力を発信してもらうのが狙いです。
11日午前9時すぎ、越前市にある越前和紙の里パピルス館に観光バスが到着。インドやタイの大使館員やフランス商工会議所の職員ら6カ国10人の外国人が、越前和紙の工程の説明を熱心に聞きました。
越前和紙には1500年の歴史があることや、原料の楮(こうぞ)をお湯で煮て、小さなごみを取り、繊維を棒でたたき細かくすることなど、紙づくりの説明を受けた後、和紙作りに挑戦しました。
「初めてで楽しい」という反応に、パピルス館の担当者たちは、作品作りを通して外国の人にどうアピールしていくのか、手ごたえをつかんだようです。
中国の駐東京・観光代表処の職員は「飾り物を自分で選ぶのは特に女性の旅で好まれる。紙づくりは中国から伝来しているので、通じるところを体験してもらいたい」と興味津々の様子でした。
観光庁の訪日外国人の消費動向調査によりますと、旅行の情報源はSNSや動画サイトに次いで、自国の知人や日本在住の知人からの口コミが15%以上を占めています。
そこで県は、各国を代表して日本に駐在する大使館員らに福井の旅を体験してもらい、自国に福井の魅力を伝えてもらおうとこのツアーを企画。2日間の日程で越前和紙の里や県立恐竜博物館、レインボーラインなど5カ所を巡ってもらいました。
インド大使館の担当者は「福井は自然豊かできれい。もっと多くの人に来て体験してほしい」と話していました。
これまで34県を訪れ、福井県への訪問は初となる在日フランス商工会議所の職員は「とても日本ぽい感じで、豊かな歴史を感じる。東京では経験できないことをここでできるからうれしい」と話していました。
福井で得た体験がこれから各国でどう広がっていくのか、インバウンドへ向けた取り組みが動き出しています。
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