岩手県盛岡市松園に、障がい者就労支援とおいしい食事を両立させる新しい食堂がオープンした。その名も「お華屋」。味噌を使ったから揚げや白い麻婆豆腐など、ユニークなメニューで地域の人々の舌を楽しませている。

盛岡市松園にある「ベルフまつぞの」の施設内に、12月7日にグランドオープンした食堂「お華屋」がある。

「お華屋」の佐々木ひとみさんは、店のコンセプトについて「毎日食べれるような飽きのこない、あまり重くならないご飯というのと、家で食べれるようなご飯から店で食べれるようなご飯まで、色々なジャンルを食をべられればいいなと思って作った」と話す。

「お華屋」自慢の定食はからあげ定食だ。
佐々木さんは「から揚げの漬けダレに信州白みそを入れて味噌から揚げに仕上げている。ショウガとニンニクが同量で入っていたが、みそに負けないくらいのパンチとなるとニンニクが多い方が味的にも良かった」と、その特徴を説明する。

さらに、「小麦アレルギーや卵アレルギーがある人でも食べれるように、卵と小麦粉は使わないようにしている」とアレルギーへの配慮も忘れていない。

みそベースでコクのある味付けながら、衣に片栗粉を使うことで軽い口当たりを実現。中からたっぷりの肉汁があふれ出し、ご飯がすすむ一品に仕上がっている。

また、寒い季節にぴったりなのが、11月末に登場した辛味噌ラーメンだ。
ベースのみそは普段出している味噌ラーメンと変わらないが、そこに店でブレンドした唐辛子をプラスして、結構辛めに仕上がっているという。

チャーシューは2時間かけて仕込んだ自信作で、食べた時の満足感が得られるよう、あえて肉質を感じるチャーシューに仕上げている。

「お華屋」には、おいしい料理以外にも大切な役割がある。それは障がい者の就労支援の場としての機能だ。

佐々木さんは「事業所の『OHANA』っていうところがあって、そこが障がい者さんたちと一緒に働くB型の就労支援の事業所になっている。店内に飾っている絵は利用者さんが描いた絵だ。一緒に働いている従業員は利用者さんがほとんど。直接お客様とふれ合ったり身に付けてもらうように『お華屋』はつくっている」と就労支援の意義を語る。

「お華屋」では、就労支援事業所「OHANA」で人気のメニューも提供している。
「白麻婆豆腐」は評判が良く、佐々木さんは「赤い麻婆豆腐が定番だと思うが、これに関しては味付けは中華ダシと塩・ニンニク・ショウガを入れ辛みは輪切り唐辛子だけ」と説明する。

見た目は白いマイルドな印象だが、実際に食べてみるとピリッとした辛さがアクセントになっていて、寒い季節にぴったりの温まるメニューだ。

佐々木さんは「お客さんの層を見るとご年配の方も多いので、和食とかあっさりしたものも増やしていけたらいいなと思っている」と話し、地域のニーズに合わせたメニュー展開を考えているようだ。

一方で、障がい者就労支援の場としての特性も大切にしている。
佐々木さんは「注文取りに来たり、配膳の時にちょっとガタついたり、びっくりしたりはすると思うが、優しく見守っていただけたらいいなと思っている」と来店客への理解を求めた。

ボリュームあるメニューでお腹を満たすだけでなく、その名の通り利用する人の心を華やかにしてくれる店だ。

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