電車への商品の“相乗り”や自動の車とドローンの連携。人手不足が深刻な物流業界で新たな取り組みの模索が続いています。

東京・吉祥寺駅。この日、電車が運んできたのは人だけではありません。

記者
「電車からセブン-イレブンの商品が運び出されました。中にはサンドウィッチなどが入っています」

京王・井の頭線の永福町駅から吉祥寺駅の間でコンビニの食品を運ぶこの実証実験。大手私鉄で荷物の近距離輸送は初めてだといいます。

セブン-イレブン・ジャパン 青山誠一 商品戦略本部長
「ドライバーの負荷軽減を考えた時に、鉄道による配送が新たな可能性を見出せる」

この取り組みの背景にあるのは深刻な人手不足。今年4月、トラックドライバーの労働時間の規制が強化され、2030年度には輸送能力が3割以上不足するとの試算も。

こうした状況を打破しようと、最新技術の活用も始まっています。

記者
「自動運転車とロボット、それにドローンを連携させて、荷物を運ぶ実証実験が始まりました」

実際どうなるかというと、建物から荷物を積んだロボットが出てきます。車に近づき、荷物を積み替えると、次は車が自動で走り出します。さらに、一部の荷物は待ち合わせしていたドローンにも。

道路状況や風向きなどの天候も加味して、車か、ドローンか、配送効率が良い方法を自動的に選ぶシステムのため、配送時間の削減も可能だといいます。

KDDI先端技術研究本部 樫原俊太郎さん
「物流の標準化が広がっていくと、最終的に完全無人が実現できるのではないか」

自動運転やドローン飛行は国による法整備も必要ですが、2030年度をめどにシステムの実用化を目指す考えです。

人手のかからない配送は近い将来、現実のものとなるかもしれません。

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