早くも12月。もうすぐクリスマスの季節ですが、今年は値上げの波がクリスマスケーキにも直撃しています。

“クリスマスケーキ”世界では?

井上貴博キャスター:
やはり日本ではクリスマスケーキといえばイチゴがのったケーキになりますが、あれは昭和30年代にイチゴが高級品だったということから定番になりました。

海外ではどうなのでしょうか。クリスマス文化を研究する木村正裕さんに伺いました。

▼フランス「ブッシュ・ド・ノエル」
「ブッシュ」はフランス語で『薪・木の切り株』を意味し、「ノエル」は『クリスマス』を意味。
なぜ薪をかたどったものにしたのかというと、ヨーロッパでは薪で火をくべることが「厄を払う」という考え方があります。それを模して作ろうじゃないかということが起点になったそうです。

▼ドイツ「シュトーレン」
ブランデーのような洋酒に浸したドライフルーツが入った長細いパン。
周りを砂糖で覆っていますが、これは幼い頃のイエス・キリストが白いおくるみを羽織っているように見えるということでドイツはこうなったそうです。

▼フィンランド「パウンドケーキ」

▼イタリア「パネトーネ」
レーズンやオレンジピールなど、ドライフルーツを生地に混ぜ込む伝統菓子

「シュトーレン」「パウンドケーキ」「パネトーネ」は保存食として、当時は重宝されていました。ドライフルーツがふんだんに使われているので、そういったところから実りよき新年を迎えようじゃないかという思いも込められているそうです。

今年はイブもクリスマスもどちらも平日で、これは4年ぶりのことです。では、イブ(12月24日)は何を指すのでしょうか。

24日「イブ」本来の意味は?24日日没~25日午前0時までが「イブ」

「イブ」を「前夜」と捉えている方が多いかと思います。でも、突き詰めると「イブニング(日没~夜)」という意味を表しているそうです。

昔の欧州暦では、日没から日没までが1日という考え方でした。だから24日の日没~25日の日没までを「クリスマス」と考えていました。

現在の暦だと、午前0時~午前0時までを1日と考えるのが現在の考え方。クリスマスが25日午前0時~26日午前0時までになり、24日日没~25日午前0時まではクリスマスではなくなってしまいます

そこで日没~夜までの24日日没~25日午前0時を「イブ」にしましょうと。つまり、昔の考え方の日没~夜を現在もしっかりと踏襲しませんかということで24日日没~25日午前0時までを「イブ」という説があります。

ホラン千秋キャスター:
夜すぎず、夕方と夜の間みたいなときに英語だと「グッドイブニング」と夜の挨拶をします。「イブニング」というと「前夜」という意味ではなく「夜」だと考えると、日没~夜だけど夜深くなると「グッドナイト」になってしまうから、“深すぎない夜”と考えると「前夜」の方が合っているということですね。

山内あゆキャスター:
要するに、24日の昼はクリスマスイブではないということですよね。24日の朝から「メリークリスマス」という挨拶もしないということですね。

ホランキャスター:
「メリークリスマス」は言っても大丈夫です。ただ、“ホリデーシーズンの挨拶”という意味で考えると、例えばユダヤ教徒やキリスト教徒で呼び方が違うこともあるので「ハッピーホリデー」と言えば間違いがないと思いますよ。

年々クリスマスケーキが高騰 トレンドは「家計お助け」「盛り耐性ケーキ」

井上キャスター:
そして、当然これだけ物価が上がっていますので、クリスマスケーキも2021年から3年間で約700円高騰しています。

【クリスマスケーキ(ホール5号)の平均価格(税抜き)】※帝国データバンクより
2021年 3862円
2022年 4084円
2023年 4412円
2024年 4561円

その原因には原材料の価格の高騰があります。

帝国データバンクによると▼砂糖10%アップ、▼チョコ20%アップ、▼バター8%アップ、▼卵10%アップ、▼小麦粉2%アップ、▼いちご10~20%アップと、輸入するものはやはり軒並み上がっています。

クリスマスケーキの値段は高くなっていますが、一方で予算は少し減らしつつあるようです。「松屋銀座」の調査によると、クリスマスケーキの予算(平均)は▼2023年6077円で、▼2024年5169円と去年より908円減っています。

予算の配分をクリスマスケーキは抑えつつ、他のものにお金をという傾向があるのかもしれません。

そこで、「Cake.jp」によると今年のトレンドはシンプルなものだということです。

▼「家計お助け」
物価高騰の影響で、今年は2000円前後が人気

▼「盛り耐性なしケーキ」
SNSで流行 シンプルでも存在感がある

シンプルにシンプルに、そこまで盛りすぎないということだと思います。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。