DMM.com(東京・港)グループで暗号資産(仮想通貨)交換業を営むDMMビットコイン(同・中央)は2日、顧客の預かり資産をSBIグループで同業のSBIVCトレードに譲渡すると正式に発表した。5月に482億円相当のビットコインを不正流出させ、サービスを制限する状態が続いている。資産を他社へ移管し、顧客への影響の長期化を防ぐことが適切と判断した。
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DMMビットコインは2日午前、「長期間ご迷惑をおかけし本当に申し訳ございませんでした。移管完了後、当社は事業を廃止する予定」とのコメントを出した。
両社は資産譲渡で基本合意し、今後は本契約締結に向け協議を続ける。25年3月ごろに口座と預かり資産をSBIVCトレードに移管する見通しだ。24年3月期の事業報告によると、DMMビットコインは45万の顧客口座を持ち、顧客の預かり資産は962億円ある。
譲渡額は30億〜50億円程度とみられる。SBIVCトレードも同日、資産譲渡について発表し「全ての口座と預かり資産の移管を受け入れる。お客さま視点に立ったサービスを実現していく」とコメントした。
DMMビットコインでは5月に仮想通貨を管理する同社のウォレット(電子財布)からビットコインが不正流出した。金融庁は9月、仮想通貨の管理に欠陥があったとして同社に業務改善命令を出した。同社は2日の発表で、不正流出に関しては「調査を続けている」とした。
DMMビットコインは顧客資産を全額保証するための資金として550億円を調達し、流出分のビットコインの購入は6月中旬に完了した。
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