未完成の住宅地=2月、中国河北省(ロイター)

【北京=三塚聖平】中国国家統計局が11日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0・1%上昇した。2カ月連続でプラスは維持したものの、上昇率は0・7%だった2月から縮小してマイナス圏に近づいた。

2月には春節(旧正月)があったため旅行などの関連需要が物価を押し上げ、CPIが6カ月ぶりにプラスに転じていた。3月はその効果がなくなって物価の低迷傾向が再び際立った形だ。不動産不況の長期化を背景に庶民の雇用・所得環境は厳しく、耐久消費財の値下がりが続くなどデフレ圧力がくすぶっている。

品目別にみると、旅行関連は6・0%上昇で、春節の旅行需要回復で23・1%上昇した2月から落ち着いた。中国人の食卓に欠かせない豚肉は2・4%下落だった。帰省して家族で過ごす春節の時期には豚肉の需要が増すため2月は0・2%の上昇だった。食品価格は2・7%下落で、2月の0・9%下落からマイナス幅が拡大した。

変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は0・6%上昇。2月の1・2%上昇から縮小した。自動車やスマートフォンといった耐久消費財は下落が続いている。

統計局が同時に発表した3月の工業品卸売物価指数(PPI)は前年同月比で2・8%下落した。1年6カ月連続のマイナスだった。マイナス幅は2月の2・7%から小幅に拡大している。

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