口コミでブームになっている「JJ」。
異例のヒットに、メーカーも首をかしげています。

キンキンに冷えたグラスにお酒を注ぎ、そこにあるものを加えると、今、若者を中心にブームとなっているあるお酒になるのですが…。

「われわれとしても大変不思議に感じているんですけど、発祥の地や考えてくださった方がどなたなのか、弊社としては把握しきれていない」と、販売しているメーカーも思わず首をかしげる異例のヒット商品。誕生のわけとは?

飲料メーカー大手のサントリーが2024年4月に発売した「JJ缶」。

ジャスミンの茶葉を使用して作った焼酎をジャスミン茶で割る、というちょっと変わったお酒で、炭酸のないすっきりした味わいが若者を中心に支持されていますが、実は、ある秘密があるんです。

サントリー スピリッツ本部・永尾真紀ブランドマネージャー:
ジャスミン焼酎「茉莉花」は2004年に発売しているロングセラー商品で、発売した後は一部の飲食店でご愛顧いただきながらほそぼそと販売していたんですが4、5年前から右肩上がりに成長を見せていました。調べてみると大阪や沖縄の飲食店を中心にジャスミン焼酎をジャスミン茶で割った「JJ」という飲み方で広がっていて。

「JJ」というお酒の飲み方は、コロナ禍前の2019年ごろに、自然発生的に誕生したといいます。

サントリー側の大々的な宣伝などは一切ないにもかかわらず、大阪や沖縄を中心に口コミで浸透。
そのキャッチーなネーミングもあり、ジャスミン焼酎「茉莉花」の売り上げは4年間で約10倍になりました。

そこで、サントリーもこの味をより多くの人に知ってもらおうと、2024年4月に割らずに缶でそのまま飲める「JJ缶」を発売したのです。

永尾ブランドマネージャーは「口コミだけで販売実績が伸びるというのは珍しいと感じていて、水割りやロックという飲み方を推奨していたので、お客さまに新しい飲み方を教えていただいたような新鮮な感覚でいます」と話しました。

発祥の経緯は諸説ありますが、従業員や顧客の口コミで人気となっている「JJ」。

大阪市内の量販店でも、特設売り場を設けて大々的に展開されていました。

さらに、大阪・梅田にあるチャイニーズ・バル「四川・餃子中華バル PAO2」では、通常の「JJ」はもちろん、ジャスミン焼酎とソーダを合わせた「JS」や、緑茶と合わせた「JR」など、味の強いチャイニーズ・グルメに合うすっきりとした味わいが大人気となっています。

この店の従業員は「若い子の間で結構人気だと思うんですけど、他の店舗でもたくさん取り上げていると思うので、有名なのかなと思います」と話しました。

サントリー スピリッツ本部・永尾真紀ブランドマネージャー:
JJの流行をつくっていくぞとかリードしていくぞという考え方ではなくて、まだ知らない方々に誰かが考えたJJという飲み方を、さらに広げてもらえるようにサポートする姿勢で、「JJ」という飲み方がゆくゆくは日本に来た海外の方も含めて親しんでもらえるといいのかなと思う。

思わずその名前を口にしたくなる不思議なお酒、「JJ」。
その人気は、やがて全国区、世界に広がる日もそう遠くないのかもしれません。

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