金融経済懇談会に臨む日銀の中川順子審議委員(11日午前、秋田市)

日銀の中川順子審議委員は11日午前、「現在の実質金利が極めて低い水準にある」と強調した。経済・物価見通しが実現していけば「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現の観点から、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と今後の利上げを示唆した。

秋田市で開いた金融経済懇談会で講演した。日銀は7月に追加利上げを決定し、政策金利を0〜0.1%から0.25%に引き上げた。中川氏は「政策金利の変更後も実質金利は大幅なマイナスの水準に止まり、緩和的な金融環境が維持される」と語った。

7月の利上げ決定後には米国景気の減速懸念などを受け、8月に為替・株式市場が乱高下した。今後、利上げの検討は「市場の動向を振り返りつつ、金融市場の変化が経済・物価の見通しに及ぼす影響について、これまでと同様に丁寧に評価を行い、判断をしていく必要がある」と話した。

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