(ブルームバーグ):11月の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領は7日、ホワイトハウス返り咲きを果たした場合、ドルから別の通貨にシフトする国々に100%の輸入関税を課す方針を明らかにした。
トランプ氏は激戦州の一つ、ウィスコンシン州の選挙集会で、「ドルを離れるなら、米国とのビジネスはなくなる。われわれは物品に100%の関税を課すからだ」と語った。トランプ氏の関税政策の新たな柱の一つとして、脱ドル化を目指す国々に多大な代償を払わせる。
トランプ氏と同氏の経済顧問は過去数カ月にわたり、ドル以外の通貨で2国間貿易を行う積極的な方法を見つけようとする同盟国や敵対国に対し、ペナルティーを科す手法について検討してきた。
選択肢には輸出規制や為替操作の疑いの追及、関税などが含まれると、事情に詳しい複数の関係者が先にブルームバーグ・ニュースに語っていた。
トランプ氏顧問、脱ドル化の国々へのペナルティーを協議-関係者
かねて保護貿易主義的政策を掲げてきたトランプ氏は、ドルが「大がかりな包囲下」にあると主張。中国とインド、ブラジル、ロシア、南アフリカ共和国の新興5カ国(BRICS)は昨年8月の首脳会議で脱ドル化を協議した経緯がある。
これに対しトランプ氏は、ドルが世界の準備通貨であり続けることを望むとし、7日の集会でもそうした立場をあらためて表明した。
ドルの支配的な地位は過去数十年に後退してきた。だが、国際通貨基金(IMF)によれば、2024年1-3月(第1四半期)の公的外貨準備高に占めるドルの割合は59%と引き続きトップで、ユーロが約20%と2位だった。
原題:Trump Pledges ‘100% Tariff’ for Countries That Shun Dollar (1)(抜粋)
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