(ブルームバーグ):23日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=146円台前半と、前日夕から下落して推移。米国金利の上昇に加え、ジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えてドル買い・円売りが優勢となった。日本銀行の植田和男総裁の閉会中審査での発言に対する警戒感から円の下値も限定的だ。

衆院財務金融委員会は午前9時30分から、参院財政金融委員会は午後1時から植田総裁の意見を聴取する。所要時間はそれぞれ2時間半を予定している。7月末の金融政策決定会合後会見で総裁が発したタカ派的シグナルが、今月初めの世界的な株価下落の一因になったこともあり、今後の利上げなど金融政策運営のスタンスが改めて注目される。

米経済減速懸念が高まる中、9月の利下げ観測を背景にドルは下落基調にあったが、22日に発表された先週の米新規失業保険申請件数は小幅な増加にとどまり、労働市場の減速が緩やかなペースであることが示唆された。パウエル議長講演のほか、植田総裁の発言を控えて、海外時間はドルの買い戻しが優勢となった。

パウエルFRB議長は23日、カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)で講演を行う。9月会合での利下げに前向きな姿勢を示す可能性が高い一方、市場が注目する利下げ幅や先行きの緩和ペースなどには踏み込まないとの見方が出ている。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストはリポートで、「利下げ開始に近づいていることはにじませそうだが、積極的に利下げ期待を高めるようなハト派コミュニケーションとなる可能性は低いだろう」と指摘。「米金利反発に伴うドル買い戻しの可能性が高そうだが、株安のリスクがある中、対円でのドル高は限定される公算が大きい」と予想した。

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