東京証券取引所は上場企業を含めて幅広く当事者の意見を聞く方針だ

東京証券取引所は24日、上場株の最低投資額の引き下げに向けた施策を検討する勉強会を立ち上げると発表した。現在100株を売買の最低単位としている東証のルール改正の議論を想定する。個人が少額で株を取引しやすくし、投資による資産形成を後押しする。

機関投資家や信託銀行、上場企業、有識者らが参加する。金融庁や法務省、業界団体のオブザーバー参加も調整する。10月に初会合を開き月1回ほどのペースで議論。2025年3月をメドに検討結果をとりまとめて公表する。

東証は100株を「1単元」とする単元株制度を設けており、売買は1単元ごとだ。この単元株ルールを撤廃し、米欧と同様に1株ごとに取引できるようにするかが論点の一つとなる。

上場企業にとっては投資単位の引き下げで株主が増えると、株主総会の議決権行使書の送付や配当金の分配などの管理コストが増える。

会社法は6カ月以上継続して議決権の1%以上か300個以上の議決権を持つ者に株主提案の権利を認める。一般的には1単元に1個の議決権を認めており、単元が下がった場合は株主提案が多発する可能性もある。法改正も視野に幅広く当事者の意見を聞きながら議論する。

東証は22年10月に最低投資額が高い上場企業に対し、引き下げに向けた株式分割を要請した。株式分割が広がった結果、50万円以上なければ投資できない企業は24年3月末時点で全上場企業の6.7%まで減った。

ただし、投資信託協会の個人投資家へのアンケート調査では、毎月投資に回せる金額の平均は4万円程度だった。投資の裾野を広げる上で、さらに買いやすくするための方策が求められている。

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