6月14日、阪急阪神ホールディングスの株主総会が行われ、傘下の宝塚歌劇団で劇団員が死亡した問題の対応について謝罪しました。

 14日午前10時から大阪市内で行われた阪急阪神ホールディングスの株主総会では、冒頭、角和夫会長が「心配をおかけしていることを心からお詫びします」「二度と発生させないよう、グループ一丸で全力で取り組んでいきます」などと宝塚歌劇の一連の問題の対応について謝罪しました。

 (阪急阪神HD・角和夫会長)
 「去年9月の宝塚歌劇団員の逝去について、株主の皆様にご心配をおかけしていることを心よりお詫び申し上げます。二度と発生させないようグループ一丸となって全力で取り組んでいきます」

 さらに阪急阪神HDの嶋田秦夫社長は、「興行数などの最大化を図るとともに舞台の高度化など現場の負担を軽減・団員のサポートをする体制が整っていませんでした」と言及、「劇団員の心理的安全の確保、モニタリング体制の提言をうけ二度とこのようなこと起こさないよう着実に進めていきます」と話しました。

 また、再発防止に向けた取り組みとして、「興行・稽古スケジュールの見直し」「劇団員の心身のサポート」など劇団員が良好な環境で過ごせるような体制作っていくことなどが言及されました。

【株主から『角会長の辞任や経営陣刷新』など厳しい声…角会長「来年まではこの体制でいく」】

 株主からは「ハラスメントへの認識が世間と会社での認識の違いが今回の問題を引き起こしたのではないか」「宙組のプロデューサーなどが表に出てこないのが不自然」などの声が上がりました。

 それに対して、角会長は「今後、時間はかかるかもしれないが専門家の知見を踏まえた意見や提言を真摯に受け止めて再発防止に取り組みたい。途中経過はまとまった段階でHPに報告するようにしようとしている」など話しました。

 また、角会長の辞任を求める声や経営陣の刷新を図るべきなどの質問が上がりましたが、角会長は「私は75歳ですので、近々辞退することはそうだが来年まではこの体制で行かせてもらいます」などと話しました。

【歌劇団員死亡…当初はパワハラ認めずも一転し遺族に謝罪】

 去年9月、宝塚歌劇団・宙組の劇団員(当時25)が死亡し、遺族側は「長時間労働と上級生からのパワハラが原因で自死に至った」と主張。一方、歌劇団側は「パワハラは確認できなかった」としていました。

 しかし、歌劇団側は今年3月に一転して、14項目のパワハラを認め、阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が直接謝罪し、遺族と合意書を締結したと明らかにしていました。

 また、パワハラに関与したとされる少なくとも10人のうち6人が遺族側に対して文書で謝罪していました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。