グローバル認証を取得して、世界を目指すクッキーに迫った。

ボリューム感と甘さにこだわったアメリカンクッキーや、スコーンとクッキーのハイブリッド「スコッキー」など多彩な焼き菓子を展開するブランド「ovgo Baker(オブゴベイカー)」。

創業から、わずか数年で全国に店舗を拡大した。

実は日本の飲食店で初めて“あるグローバル認証”を取得し、世界で活躍を目指すクッキーブランドだ。

アメリカンクッキーを中心とした焼き菓子の製造・販売を行う「ovgo Baker」の店内を見ると、次々と足を運ぶ女性客や外国人の姿があった。

外国人客は、「(来店は)3回目くらい。抹茶の苦みとクッキーの甘みがうまくバランスが取れておいしい」と話した。

多くの人の心をつかむ理由として、ovgo・溝渕由樹代表取締役は「私たちのお店は、全部プラントベース。完全植物性で、全ての焼き菓子を製造している。人にも動物にも環境にも優しいベイクショップ」と話した。

卵やバター、乳製品など動物性の食材を一切使用せず、環境負荷の軽減や食料問題の解決に貢献。
このビジネスモデルが世界で高い評価を受け、日本の飲食店で初めて「B Corp」と呼ばれるグローバル認証を取得した。

ovgo・溝渕由樹代表取締役は「『B Corp』は、経営が一方的にやるのではなくて、関わるマルチステークホルダー、皆の声を反映させる会社づくりを目指す」と語った。

5つの厳しい審査基準である従業員、顧客、環境、コミュニティー、ガバナンスをクリアすることで、全てのステークホルダーにとっていい良い会社であることを証明する「B Corp」。

アウトドア用品の「パタゴニア」や、食品の「ダノン」など有名企業も取得。
海外の消費者からのブランド理解につながり、売り上げ増加や優秀な人材が集まる要因にもなるという。

この厳しい審査をくぐり抜けた「ovgo Baker」だが、例えば環境面について、ovgo・松井映梨加さんは「(輸送時に)CO2が掛かることを踏まえて、店になるべく近い国産で茨城県の素材を仕入れたり、他にもオーガニックの素材を仕入れたりする」と話した。

透明性を意識し、クッキーの原材料調達から販売まで温室効果ガスの排出量を計測し、一般的なクッキーと比べて84%ほど削減している。

また、従業員ハンドブックを用意してチャレンジしてほしい内容を伝えるなど、従業員が働きやすい環境づくりも行っている。

Z世代のアイデアを反映させた原宿店では、若年層の顧客の取り込みにも成功した。

年齢や性別に関係なく活躍できる職場をつくり上げることで、好循環もあった。

ovgo・松井映梨加さん:
お客さんで最初に来てくれたことがきっかけで、一緒に働きたいですと。

ovgo・スタッフ:
いつか上京したいと思っていたんですけど、スタッフの方が働いている様子とか、ものすごく仲がよさそうで、なおかつかわいくて。私の人生を変えてくれたのがオブゴのクッキー、オブゴの皆さんで。

今後、アメリカンクッキーの本場ニューヨークでの出店を目指しているが、「B Corp」を取得していることで、信頼度向上につながると考えている。

ovgo・溝渕由樹代表取締役は、「『B Corp』同士のコミュニティーが密で、いろんな連携ができる。『B Corp』を取得している会社さんにケータリングで注文をいただいたり、コラボレーションできたり、相乗効果で自分たちだけが取り組むよりも、もっといいものができあがる」と話した。

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