三菱のコンパクトカー、ミラージュが三菱のラインナップから消えて久しい。6代目までの系譜のなかでエポックメイキングなモデルも存在していたが、その44年の歴史を振り返ってみよう。

文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカー編集部、三菱

■エリマキトカゲのCMで一世を風靡した2代目

1978年誕生の初代ミラージュ

 そもそもミラージュは三菱初のFF車として1978年3月に初代モデルが誕生。3ドア/5ドアハッチバックと4ドアセダンがラインナップされ、4速MT車には「スーパーシフト」という2速の副変速機を備えていたのが注目された。

2代目ミラージュに設定された1600エアロGT。ラリーアート製の古エアロパーツを装着している

 続いて1984年に登場した2代目ミラージュが注目されたのはそのテレビCM。エリマキトカゲを起用して鮮烈な記憶を残した。ボディタイプは初代と同じく3ドア/5ドアHBと4ドアセダンに加え、ステーションワゴンとバンも追加されていた。

3代目ミラージュに設定されたXYXVYX(ザイビクス)

 3代目モデルは1987年10月に3ドアハッチバックが登場。その後に4ドアセダンも登場し、兄貴分の6代目ギャランにも似た逆スラントノーズのフロントマスクを持ち、145psを誇る直4、1.6LDOHCターボを積んだ「サイボーグ」がスポーツグレードとして脚光を浴びた。

 1989年9月のマイチェンではサイボーグは最高出力160psにパワーアップし、2代目インテグラXSiや4代目シビックSiRなどのほか、スーパーチャージャーを搭載したAE92型カローラレビン/スプリンタートレノGT-Zに伍するテンロクスポーツモデルとして存在感を発揮した。

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■バブル期に設計された4代目には世界最小V6搭載モデルも

1991年に登場した4代目ミラージュ。145psの1.6DOHCを搭載したスーパーRは登場時のホットグレード。1992年にMIVECを積んだサイボーグにトップグレードを譲ることに

 1991年10月には4代目モデルが登場。バブル期に開発されたこのモデルは内外装に歴代最高の質感を持ったモデルとして登場。

175psの1.6L、DOHCを搭載した「サイボーグ」は1992年に追加設定

 1992年2月には世界最小排気量のV6エンジンを搭載した「ミラージュ6」を追加設定し、同年10月には当時のテンロクスポーツ最強となる175psを誇ったMIVECエンジンを搭載した「サイボーグ」を投入。また、2ドアクーペモデルのアスティもこの4代目から設定されている。

1995年には5代目ミラージュにバトンタッチ

 1995年10月には5代目モデルにフルモデルチェンジ。4ドアセダンはそれまで兄弟車と位置付けられていたランサーとの差別化がなくなり、205psの1.8Lターボを積んだVR-Xが5代目ランサーGSRの兄弟車として設定されたほか、3ドアHBには先代モデルと同様に1.6LのMIVECエンジンを搭載したホットハッチのサイボーグが継続設定された。

奇抜なフロントマスクが特徴的なミラージュディンゴは1999年に登場

 1999年1月にはミラージュの名を冠した「ミラージュディンゴ」が登場。ただし、こちらはミラージュの名前こそつくものの、まったく別の新規開発プラットフォームを採用したコンパクトトールワゴンとして登場した。このディンゴは5代目ミラージュが2000年5月に生産終了後も2002年9月まで生産された。

ミラージュディンゴは後期型でプレーンな造形のフロントマスクに

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■タイ生産の最終型はロングスパンモデルに

2012年に登場した最終型6代目ミラージュはタイ生産モデル

 6代目ミラージュが登場したのは2012年8月。先代型となる5代目ミラージュが2000年5月に生産終了し、その名前を冠したコンパクトトールワゴンのミラージュディンゴが2002年9月に生産終了してから10年後に登場。

 歴代モデル初のグローバル戦略車としてタイ生産モデルとして日本にも導入。直3の1LDOHC、のちに同1.2LDOHCを追加し、2015年と2020年の2度にわたってフェイスリフトを中心としたマイナーチェンジを行っていた。

2015年にマイチェンを受けた6代目ミラージュ

 国内で約5万7000台、グローバルで約82万台を販売してきた6代目ミラージュだったが、2023年3月で生産終了。

2020年には再びマイチェンでフロントマスクを変更

 現在の三菱にはコンパクトクラスの小気味いい走りのモデルがラインナップされていないだけに、ぜひ復活を待ち望みたい!

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