モデルライフが長くなりがちなスポーツモデルは、その長いモデルライフの間に改良を重ねて完成度を高め、じっくりと「熟成」させていく。ここでは2021年登場のスバル WRX S4に改めて試乗し、その熟成度を確認してみる。

※本稿は2024年11月のものです
文:松田秀士/写真:大西靖、スバル、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年12月10日号

■攻めても流してもスムーズに動くサスペンション

2021年登場のスバル WRX S4。デビュー時よりもサスペンションに若干ストロークを持たせたように感じた

 この日のターンパイクは雨模様。それでも元気に走らせることができたのが悪天候に強い4WDのWRX S4だ。今回のテスト車中唯一の2ペダルCVT。パドルシフトで8速のMTモードはまるでMT車のようなダイレクト感だ。

 S4は視界もよくコーナーへのターンイン速度が高くコーナリング速度も5車中イチバン。低重心な水平対向エンジンを縦置きにし、前後のドライブシャフトを左右等長にするシンメトリカルAWDの高性能ぶりをいかんなく発揮した。

 サスペンションは2021年のデビュー時よりも若干ストロークを持たせたように感じる。コーナリング中に路面の凸凹をスムーズにいなしている。

 さらにS4は2ピニオンの電動パワステを採用。しかもロードスターと同様「前引き」ステアリングレイアウトを採用する。コーナーへの飛び込みが非常にスムーズでリアの接地感も高くクルマが乱れる予兆も感じさせない。

 リアスプリングはダンパーに巻かれたタイプなので協調性が高く、可能な限りハブに近づけてマウントされている。すべてが走りのために、で作られているのがS4だ。

●熟成の過程
・2021年11月発売
・2022年11月一部改良(ヘッドライト自動消灯機能の追加など)
・2023年10月一部改良(新世代アイサイト装備、STI Sport R EXに大型リアスポイラーをオプション設定)

 WRX S4のデビューは2021年11月。2023年10月の一部改良ではアイサイトが次世代型となり大幅に進化した。

 今回の取材の帰路、東名高速の集中工事による渋滞でも追従制御が絶妙で、ストレスなく渋滞を通過できた。操安性の面ではサスストロークが増え、スムーズさが増した。雨の中でも4輪の接地が伝わり、安心感が高い。

●スバル WRX S4 STIスポーツR EX
・全長×全幅×全高:4670×1825×1465mm
・ホイールベース:2675mm
・車両重量:1610kg
・エンジン:水平対向4DOHCターボ 2387cc
・最高出力:275ps/5600rpm
・最大トルク:38.2kgm/2000-4800rpm
・トランスミッション:CVT
・WLTCモード燃費:10.7km/L
・サスペンション(前・後):ストラット・ダブルウィッシュボーン
・タイヤサイズ:245/40R18
・価格:502万7000円

★スバル WRX S4……完熟度:130度

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