2024年9月、ホンダの大人気軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」に、SUV風のカスタムが施された「N-BOX JOY」が追加されました。2018年に登場したスズキ「スペーシアギア」を皮切りに、ダイハツ「タントファンクロス(2022年~)」、三菱「デリカミニ(2023年~)」、そしてN-BOX JOYと、主要な軽スーパーハイトワゴンの多くが、SUV風の派生車を用意。ただ、日産の「ルークス」には、まだSUV風カスタムの派生車が用意されていません。日産としても、このSUV風カスタムの流れは、無視はできないはず。筆者がぜひとも日産にチャレンジしてほしいと考えているのが、日産のあのコンセプトカーを使ったSUV風の軽スーパーハイトワゴンです。

文:吉川賢一/写真:NISSAN

ビームスとのコラボで実現した「ROOX BEAMS CUSTOMIZED CONCEPT」

 「あのコンセプトカー」とは、日産が東京オートサロン2024に出展した「ROOX BEAMS CUSTOMIZED CONCEPT」です。「BEAMS」とは、衣料品や雑貨を販売するセレクトショップのBEAMS(ビームス)のこと。日産とビームスとのコラボレーションによって実現したコンセプトカーです。

 日産の軽スーパーハイトワゴン「ルークス」をベースに、BEAMSならではのこだわりが各所に詰め込まれたROOX BEAMS CUSTOMIZED CONCEPT。なかでも、デニム生地の裏側をモチーフにしたカラーが採用されたエクステリアの外装色は、ビームスならではのおしゃれな雰囲気を演出し、ルークスに高級感を与えていました。

 東京オートサロンの会場でお話を伺った日産の担当者によると、デニムのブルーをそのまま使うのはつまらないので裏返した色にしたい、というBEAMSのアイディアによるものだそう。クルマの下周りにあるブルーの部分は、ジーンズをロールアップした姿をイメージしているそうです。ヘッドライト周りにはアイプチのようなシールを上下に貼ることで、目力がアップしていたのも印象的でした。

 インテリアにも、デニムが各所に使われており、シートに使った生地は、なんとBEAMSが実際に使っているデニムの裏地そのものだそう。ヘッドレストやシートの座面、フロアカーペットも実際のデニムでした。また、ドアスイッチやナビ周辺のパネルには、「タンポ印刷」という特別な工法を採用することで、デニム生地の模様を転写。ルークスとはひと味ちがう、おしゃれな雰囲気を増すことに成功しています。

東京オートサロン2024で日産が出展していた「ROOX BEAMS CUSTOMIZED CONCEPT」。グレージュに近いカラー名称は、「デニム裏地カラー(仮)」だという
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このルークスビームスにSUV風のカスタムを施せば、他社車とは違う派生車をつくることができる!!

 このROOX BEAMS CUSTOMIZED CONCEPTの考え方を利用して、SUV風のカスタムを施せば、他社車とは違ったおしゃれな派生車をつくることができるのではないでしょうか。デニムが多く使われていることも、アクティブさをイメージさせてくれますし、他車とは違ったアクセントとなると思います。BEAMSも、このROOX BEAMS CUSTOMIZED CONCEPTについて「冒険的で意外性に満ち溢れた新たな軽自動車のイメージを提案します」としており、まさにSUVのイメージと合致します。

 後席の使い勝手が素晴らしく、ジムニー顔に似せたデザインもイケてるスペーシアギア、(マイチェン前の)デリカ風のグリルを採用し、4WD専用の足回りによる走りのよさが魅力のデリカミニ、タントならではのミラクルオープンドアと手に入れやすい価格が魅力のタントファンクロス、そしてN-BOX譲りの素性のよさとおしゃれなインテリアが魅力のN-BOX JOY。ここにルークスが参戦するには、このくらいの個性は必要。

 筆者は、ホンダの「フリードAIR」のように、今後は、シンプルでおしゃれな雰囲気のデザインのクルマが、今後増えてくるのではと考えています。ルークス自体もすっきりとしたデザインではありますが、BEAMとのコラボによってもうひと段階おしゃれにステップアップしたルークスは、実現すれば、若い女性を中心に大きな反響があると考えられます。

ジムニー顔に似せた丸目ヘッドライトとフロントメッキグリルが特徴的な、スズキ「スペーシアギア」
4WDは悪路での走りに優れる、三菱「デリカミニ」
比較的手に入れやすい価格が魅力、ダイハツ「タントファンクロス」
N-BOX譲りの素性のよさとおしゃれなインテリアが魅力のN-BOX JOY

2025年の東京オートサロンで見られるか!??

 東京オートサロン2024でお話を伺った日産の担当者によると、デニム生地をクルマのシートに使うには、難燃性や摩耗耐久性など、様々な条件をクリアせねばならず、ROOX BEAMS CUSTOMIZED CONCEPTを、このまま商品として出すことは難しいそう。しかしながら、代替品として使える生地を探し、実際の商品として出すところまで頑張りたいとしていました。

 新たな客層へアプローチにも繋がると考えられますし、すぐにでも販売してほしいところではありますが、まずは、2025年の東京オートサロンで続報に触れられることを期待したいです。

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