みんな大好きなランクル70。スタイリッシュながらもアイコニックな姿はとてもかっこいい。ランクル70だが、実は道路管理会社などへの導入も噂されていた。そんな「はたらくランクル70」を北海道で見つけたので現地で確認してきたぞ!!!

文/写真:ベストカーWeb編集長 塩川雅人

■ランクル70は基本は市販車ベース

JAF旭川支部に配備された再再販ランクル70。意外や意外、このブルーはかっこいいんじゃないか!!! ベースはホワイトだ

 自衛隊への納品も噂されるほどにガチなタフワーク仕様のランクル70。なんたって世界で走ってきた現場の数はレベル違いに多いし、その都度「生きて帰る」というコンセプトを守り抜いてきたクルマなのだ。

 そんな現行型のランクル70の「働くクルマ」がついに北海道旭川のJAF旭川支部に登場した。さっそく現地に飛んで取材をしてきたのでお届けしよう。

 まずグレードから。一部では商用用途にランクル250のGXグレードのような、商用グレードが用意されるという説が強かった。というのも現行ナナマルは3ナンバーのモノグレードで、商用に使うには1ナンバー登録などにハードルが上がるという懸念があったから。

3世代のランクル70が揃う旭川支部

 しかしJAFのナナマルを見るときっちり3ナンバーだった。このナナマルを担当するJAF旭川支部の山岡市也さんに話を聞いた。

「2014年モデルでは1ナンバーだったんです。今回も1ナンバーにしようかと思っていたのですが、3ナンバーから1ナンバーの登録は色々とハードルも高いこともあり、3ナンバーのままにしました」。

■JAFの救援道具満載の荷室がすげー

後部座席はウレタンマットが敷かれる。前席との仕切り板が特徴的だ

 ランクル70を見ていくと、実はかなり多くのカスタマイズがされていることがわかる。もちろんここでいう「カスタマイズ」は見映えなどではなく、質実剛健な救援に向かうための改修を指す。

 まず運転席から見ていこう。シートはノーマルだがビニールのシートカバーが装着されている。主に厳冬期に活躍する車両だけに、雪などへの耐性は必要だという。

 インパネは無線機(と言っても見た目はスマホみたい)、JAF専用のモニターなどの装備が並ぶ。それ以外はいたって普通。

北海道ならではの装備のひとつが滑り止め。アイスバーンなどでもしっかりタイヤのグリップを保持してくれる

 しかしリアシートはウレタンシートで覆われて、車載道具がところ狭しとぎっちり搭載されている。前席との仕切りは網が入り、この辺りは流石に業務用の香りが強いぞ!!!

 気になる荷台はジャッキや北海道ならではのアイスバーンでのスリップを止める波板など、その装備はとてもかっこいい。やっぱりプロの道具っていいよね。

■形を変えないで登場するという意義

完全装備の車内。動画では新旧ナナマルの比較もあるが、ほとんど配置は変わらない

 JAF旭川支部には2004年式のFRPトップ、2014年式(再販モデル)のバン×2台、そして2024年式(再再販モデル)と4台のナナマルが在籍している。2004年式のモデルは30万kmを超えて退役するそうだが、2014年式は現役バリバリ。

 再販モデルと再再販モデルを比較するともちろん細かい意匠も異なるし、エンジンも異なる。しかし荷室を見てみると収納方法がそっくり。

 前出の山岡さんは言う。

「新旧のランクル70を比較してもほとんど寸法が同じなんですよね。なので荷棚もほとんど同じ誂えですし、こうやって同じ形で出してもらえると、ランクル70を乗り換えた隊員が”あの装備はここにあるんだ”とすぐに馴染むことができるんです」。

ウインチは純正バンパーをくり抜いている。さらにウインチベッド上部にLEDを仕込み、巻き方を確認できるようにしている

 やはり世界の「現場」で活躍するランクル70だけあって、設計思想にブレがないのはさすが。JAF旭川支部のランクル70は基本的には厳冬期に活躍するという。路肩に落ちた時や、深雪にはまった時など分厚いトルクで牽引するためのまさに「守り神」。

 そんな頼もしい「守り神」だが、ドライバーにとっては救援対象とならないことがベストでもある。旭川で見かけたらぜひ心の中で隊員とナナマルに温かいエールを送ってほしいぞ。

 

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