クルマ会社からモビリティ企業へと変化しつつあるトヨタだが、空の分野にも「本気」であることが分かった。なんと2025年7月「エアロトヨタ」が発足するのだ。いったいどんな会社なの?

文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車、朝日航洋、Joby Aviation

■朝日航洋がエアロトヨタとして再スタート!

米ジョビーアビエーションがトヨタ東富士テストコースで行ったデモフライト。この現場には朝日航洋のスタッフもいた

 新たに「エアロトヨタ」を名乗る会社だが、現在「朝日航洋」として事業を営んでいる会社が社名変更を行って再スタートを切るという形をとる。

 朝日航洋は1955年、朝日航空株式会社として設立され、ヘリコプターを使った運送や測量、ドクターヘリといった分野で業績を残してきた老舗企業。ちなみに1985年につくば万博が開かれたとき、東京ヘリポートから万博会場までの旅客輸送を担ったのも同社(※東亜国内航空との共同運航)である。

 そんな朝日航洋は1959年から西武グループの傘下にあったが、同グループの業績悪化を受けて1997年にトヨタの子会社となった。以降はヘリコプターに加えて小型ジェット機による海外運航にも乗り出すなど、トヨタと力を合わせて意欲的な活動を行ってきた歴史を持つ。

 そんな朝日航洋がエアロトヨタへと社名を変える背景だが、トヨタ自体が航空事業をより本格化させるという強い決意の表れといえる。

■空飛ぶタクシーで新たなモビリティの領域を開拓!

ジョビー創業者兼CEOであるジョーベン・ビバート氏と並ぶ豊田章男トヨタ自動車会長

 ご存知のとおりトヨタは、アメリカのeVTOL(電動垂直離着陸機。いわゆる空飛ぶタクシー)開発企業の「ジョビー・アビエーション」に、累計9億ドル(約1370億円)近い出資を行っている。同社の機体「S4」は大阪万博でもANAがデモフライトを行う予定だが、この機体の実用化が間近に迫っているのだ。

 S4の進捗は、航空機の型式認証プロセス5段階のうち、すでに4段階目にあるといわれるが、認証取得が完了すれば、いよいよ量産に向けた準備が本格化する。

 そこではトヨタの生産技術も大いに活かされるだろうが、トヨタはそこで作られた機体を日本にも持ち込み、新たなモビリティとして育てる狙いがある。新たに誕生するエアロトヨタは、その運用元として大きな役割を担うことになると予想する。

 トヨタは10月1日に、パナソニックとの合弁会社だった「プライムアースEVエナジー」を完全子会社化して「トヨタバッテリー」と改名したが、新に空の分野でも「トヨタ」を名乗る企業が誕生することになる。旅客機やヘリコプターを補完する新たな移動手段の登場を楽しみに待ちたい。

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