トヨタが展開する高級車ブランドである「レクサス」。そのレクサスのなかでも、ブランドを象徴するフラグシップモデルとして据えられているのが、セダンの「LS」、そしてSUVの「LX」です。

 ここに2018年、トヨタが米国で「LQ」という商標を出願したことから、レクサスが2018年に公開したフラグシップ・クロスオーバーSUVのコンセプトカー「LF-1 limitless」がレクサスLQとして新たなフラグシップモデルとなるのではないか、とされていましたが、その後どうなったのでしょうか。調べたところ、少なくとも「LQ」という名で登場することはなさそうです。

文:吉川賢一/写真:LEXUS、TOYOTA

ジャパンモビリティショー2023の「LF-ZL」が「LQ」とされていた

 レクサスが2018年に、デトロイトモーターショーで世界初公開した「LF-1 limitless」。「新しいラグジュアリーの方向性を提案するフラグシップ・クロスオーバー」とされるLF-1 limitlessは、クロスオーバーSUVながら低重心なボディと、ロングノーズ、車両後方に構えたキャビンを採用するなど、走りを予感させる力強いプロポーションをもち、従来のガソリンエンジンやハイブリッドに加えて、プラグインハイブリッド(PHEV)、バッテリーEV、燃料電池(FCV)の搭載が想定されているモデルです。

 このLF-1 limitless をより具現化した姿が、2023年のジャパンモビリティショー2023に出展された、次世代EVプラットフォームに最新の電動化技術とソフトウェアを組み合わせたクロスオーバーSUVの「LF-ZL」。レクサスはこのLF-ZLについて、未来のフラグシップのビジョンを示唆したと説明しており、セダンともクロスオーバーSUVとも区別がつかない新たなジャンルのフラッグシップモデルとして、このモデルが「LQ」となって登場するものと考えられていました。

新しいラグジュアリーの方向性を提案するフラッグシップ・クロスオーバーとして、2018年デトロイトモーターショーにて初公開となったレクサスLF-1 limitless
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ただ、「LQ」という商標はすでに放棄されている

 しかしながら、米国USPTO(特許商標庁)で検索してみると、確かにトヨタ自動車が2018年5月7日に「自動車及びその構造部品」として「LQ」という商標を出願していますが、この商標出願は、2021年10月の時点で「Abandoned(放棄)」とされています。詳細な経緯は不明ですが、少なくともLF-ZLが「LQ」として市販されることはなさそうです。

2023年10月のジャパンモビリティショーに登場したクロスオーバーSUVの「LF-ZL」

東京モーターショー2019 のトヨタ「LQ」のことだった!??

 トヨタの「LQ」というと、東京モーターショー2019に出展された「新しい時代の愛車」を具現化したというコンセプトカー「LQ」が思い出されます。よく見ると、2023年に登場した現行5代目プリウスにも似ており、「新しい時代の愛車」というコンセプトからも、現行プリウスはこの「LQ」だったのかも知れず、米国での商標登録も、ひょっとするとこのLQを想定してのことだったのかも知れません。

東京モーターショー2019に出展されたコンセプトカー、トヨタ「LQ」。LQという名には、新しい時代の愛車(Beloved Car)を提案するきっかけ(Q/Cue)になれば、という想いが込められているという
リアスタイルからは、現行プリウスの雰囲気が

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 「LQ」という名ではないかもしれませんが、レクサスは2035年のBEVブランドへの変革を目指しており、LF-ZLが市販化される可能性は高いと考えられます。クロスオーバーSUVなので、「LQX」や「LFX」などになるかもしれません。いつどのような名で登場するのか!?? 今後が非常に楽しみです。

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