都心部では新車価格が2000万円を超えるGクラスを、当たり前のように見かける。この現象はここ10〜20年ほどずっと続いている。では実際にどれぐらい売れているのか? 販売データを覗いてみたら…まさかの結果が待っていた…。
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:メルセデス・ベンツ
■エントリーモデルより売れているGクラス
日本自動車輸入組合(JAIA)では、「モデル別新規登録台数順位」という統計データを公表している。具体的には、外国メーカー車のモデル別(通称名別)台数の上位20位までを集計している。
年度ごとにまとめられているのだが、ちょっと覗いてみて驚くことがあった。
ゲレンデことメルセデス・ベンツGクラスは、2023年度(2023年4月~2024年3月)に5552台登録され、なんと全体の10位にランクインしている。
同時期に20位までにランクインしているメルセデス・ベンツを見てみると、15位にGLAクラス(4195台)、20位にAクラス(3262台)となっている。
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■他と比べて高額車なのにしっかりとランクイン
Aクラスはメルセデス・ベンツにとって最もコンパクトかつ、いわばエントリーモデルという立ち位置なはずで、新車価格は484万円〜である。
にもかかわらず、新車時価格が約2100万円〜と遥かに高額なGクラスがAクラスよりも1.7倍も売れている。
街中で見かける頻度から肌感覚でGクラスの人気ぶりには気づいていたが、いざデータを目の当たりにすると実に衝撃的だ。
ちなみに現行Aクラス(4代目)が日本で販売を開始したのは、2018年10月からのこと。
2019年度(2019年4月~2020年3月)は1万2946台と好調なスタートながら、2020年度(2020年4月~2021年3月)は8723台(2位)、2021年度(2021年4月~2022年3月)は5146台(11位)、2022年度(2022年4月~2023年3月)は3,327(19位)と登録台数は下降基調にある。フルモデルチェンジを経て一気に乗り換え需要をこなし、先細りしながら売れている印象を受ける。
一方、上位20位にGクラスがランクインするようになったのは2020年度以降である。
2020年度は17位(4,559台)、2021年度は10位(5,238台)、2022年度は13位(4,645台)にGクラスはランクインしている。
同時期、上位20位までにランクインしている外国メーカー車においてダントツの高額車であることも記しておくべきだろう。
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■日本でのGクラス人気はまさに異常現象
なお昨今、Gクラスは新車ディーラーに足を運んだところで、すんなり買える車ではなくなっている。
日本への割り当て台数に対して需要が勝っているのだ。
また、いわゆるビッグマイナーチェンジ後(2018年モデル以降)の中古車相場の高値安定の影響もあり、“新車で買ってもほとんど損をしない車”と認識され始め、新車需要を更に喚起しているのかもしれない。
もう20年以上前からGクラスは“モテる車”ともてはやされたものだが、未だにその人気を維持しているばかりか上位20位にランクインするまでに販売台数を伸ばしているのは、もはや奇跡的な事象と言わざるを得ない。
スタイルを大きく変えることなく、確実にハードウェアをアップデートしてファンのハートを掴んでいるのだろうが、言うは易く行うは難し、である。
Gクラスにおける新規ユーザー/リピーターの内訳も知りたくなるところだ。
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