やさしくて思いやりのある人を「観音様のようだ」というけれど、そのテイでいえばルノー カングーは観音様じゃなかろうか。それを確かめようと巨大な観音様を目指してロングドライブに出かけたら、カングー様からにじみ出るご慈悲がビンビン伝わってきたよ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:小林岳夫/協力:佐々木 亘
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■たった1.3Lのエンジンが見事な仕事っぷり!
突然だが、ルノー カングーは観音様じゃないだろうか。「カングー」の「カン」が同じ響きだし、カングーの伝統ともいえるダブルバックドアは、左右に開く「観音開き」だ。
悩んでいても仕方がないのでドライブに出かけることにした。ここは当然観音様を目指したいが、どうやら宮城県の仙台市内に、ぶったまげるような観音様があるらしい。おっしゃここに行こう!
早速東京から東北道に乗り、一路仙台を目指す。
今回借り出したカングーは、無塗装バンパーが素材感を醸し出す「クレアティフ」のガソリンモデル。ターボ付きとはいえたったの1.3Lという排気量は高速ドライブが不安だったが、走り出してすぐ、要らん心配であることが実感できた。
エンジンスペックは131ps/24.5kgmといたって普通だが、実用域の仕事っぷりが見事でじれったさなどみじんもない。調べてみたらわずか1600回転で最大トルクが湧き出るから、「アクセルを床まで……」なんて場面は一度もなかった。
加えて驚いたのは車内が静かなこと。筆者は先代カングーにも乗ったことがあるが、高速道路ではとにかく「にぎやかだなー」という印象だった。
現行モデルはそれがウソのよう。7速という多段ATの恩恵で、時速100kmのエンジン回転数はわずか1800回転にすぎず、普通にリアシートの人とも会話ができる。音楽も快適に聴けるし、なにより長距離を走っても疲れにくいという点がありがたい。
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■突き上げをソフトにいなす優しい乗り心地
東北道も宇都宮を過ぎると道がクネクネしてくるが、カングーはここでもペースを落とさず走れた。もともと現行モデルは、ルノー日産の最新プラットフォーム「CFM-C/D」を使っているためシャシー性能が高いのだが、狙ったラインをピシッとトレースしてくれる足回りは実に安心感がある。
乗り味は、突き上げを絶妙にいなす優しいもの。コンチネンタルのエココンタクト6という乗り心地重視のタイヤを履いていることもあるが、同乗者から不満が出ることはないだろう。
コーナーではそれなりにロールするのだが、タイヤがしっかり接地するので安心感は高い。バカンスの長距離移動をこなすフランス車の経験値を実感するひと時だ。
いっぽう高速道路では、アダプティブクルーズコントロールにもお世話になった。カングーは「ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト」というシステムを搭載しており、前走車の追従はもちろん、渋滞時の停止&再発進も面倒みてくれるから実にラクチン。
さらにエマージェンシーレーンキープアシストという機能も搭載しているという。ウィンカーを出さずに車線をまたいだり、路肩に接近すると、警告を発してハンドル操作をアシストしてくれる。まさかの時の安心感が違うのだ。
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■これでもかといいたくなるカングーの収納力
360kmほど走って、無事仙台宮城インターチェンジに到着。そこから県道37号線を北上していくと、ナビで目的地を確認するまでもなく、遠近感が狂ったかと思わせるような風景が迫ってくる。高さ100mという巨大な観音様が姿を現すのだ。
この観音様、正確には「仙台天道白衣大観音」といい、大観密寺という寺院の境内に平成2年に建てられた。100mという高さは平成元年の仙台の市制100周年に由来するそうだが、その資金はなんと、地元の実業家が私財を投じたのだそうだ。
今回は特別に、その観音様の「お足元」にカングーを置かせていただき、撮影を行った。カングー自慢のダブルバックドアを観音開きにして大観音との2ショットを取る。うーむ、観音様の慈愛とカングーの包容力が共鳴するいい写真じゃないか。ありがとう小林岳夫カメラマン!
改めてカングーの収納力だが、これでもかといいたくなるほどデカい。ラゲッジルームにはタイヤの出っ張りがいっさいないので隅っこまで使えるし、高さが1111mmもあるので、長い荷物は立てて積める。小さなお子様ならここで着替えが出来ちゃうほどだ。
2列目シートを倒すと、この空間はさらに広大になる。
もともとこの空間は、日本規格よりも100mm広い欧州規格のパレット(横幅1200mm)に荷物を積み込むために生まれた。だから左右の壁面部分も直立していて、箱状の荷物だってぎっしり詰めるのだ。
2列目シートを倒し、フロントシートを最前進させたときの奥行は1880mm! カングーの全長が4490mmであることを考えれば破格の長さだ。2列目シートがダイブダウンしないので完全フラットにはならないが、ママチャリなども余裕で詰めるし、マットを持ち込んでの車中泊だって快適だろう。
今回のロングドライブを通じて感じたのは、ソフトな走りや広々とした空間が一体となって生み出す、カングーのやさしさだった。「人とモノはボクが運ぶ。あとは楽しい思い出を作りなさい」という深い慈しみを持ったクルマ。やっぱカングーは、観音様じゃね?
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