UDトラックスは10月23日(水)、25日(金)の2日間にわたり、世界各国のトラックドライバーが運転技術を競い合う国際競技大会「UDエクストラマイルチャレンジ2024」の決勝戦を、本社敷地内のUDエクスペリエンスセンターで開催した。

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

UDエクストラマイルチャレンジとは?

UDエクストラマイルチャレンジのため上尾工場に集結した世界各国のプロドライバーとその応援団

 UDトラックスが主催する「UDエクストラマイルチャレンジ」は、世界各国の同社ユーザーの中から頂点のドライバーを決める大会で、トラックドライバーの技術を顕彰することでモチベーションと地位向上を図るため2014年より始まった。

 6回目を迎えた今回の大会は、12カ国約400名が参加した予選(各国で開催)を勝ち抜いた11名のドライバーがUDトラックス本社·上尾工場のUDエクスペリエンスセンターに集結。

 12カ国のうち1カ国は諸事情により欠場となったが、23日に行なわれたクオンの部(クオンの販売地域のユーザーが参加)決勝には日本、オーストラリア、シンガポール、モーリシャスの4カ国4名、25日の海外専用モデル、クエスターの部ではインドネシア、カタール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、南アフリカの7カ国7名がそれぞれ参戦し、「運転技術」と「走行前点検」の2種目でプロの技を競い合いあった。

 なお、これまでこの決勝に特別枠として出場していた日本だが、今回はUDエクスペリエンスセンターで6社ほどが参加する予選も開催。日本代表としてカメイ物流サービスの千葉章氏が選出された。

競技内容と競技結果

走行前点検競技に挑むオーストラリア代表、マット・モドラ氏
こちらは日本代表の走行前点検競技の様子

 「走行前点検」は、単車のクオンを使い22カ所の項目を点検し、このうちUD側で用意された9カ所の不具合を制限時間内に見つけ出すという競技。また、項目にはないが点検すれば加点される5カ所も設定されている。

 いっぽう「運転技術」は、トレーラを連結したクオントラクタを使い、坂道、スラローム、波状路(凸凹)、一時停止カ所などが用意されたテストコースを3周した後、車庫入れを行なうという内容。

 競技は無線によるスピード、燃費計測のほか、荷台に置かれた水が満杯入ったボウルからこぼれた量も計測する。また、車庫入れ競技では車両後部と壁までの距離(車両右左を計測)と、車庫の中心からどれだけズレているかの計測を行ない、それぞれ燃費効率、安全運転、操作·駐車技術などの項目で評価される。

運転技術競技のスラローム走行の様子
荷台には色付きの水が入ったボウルが設置されており、競技後は溢れてケースに溜まった水の量が計測される

 日本代表として参加したドライバー歴約30年というベテランの千葉章氏は、車庫入れ競技で壁際にピタッと停め、車庫のほぼ真ん中に停車させる高い運転技術を披露したが、残念ながら総合点で優勝には及ばず。

 クオンの部ではオーストラリア代表、 MA&RC Modra(モドラ)社のMatt Modra(マット・モドラ)氏が優勝。またクエスターの部ではインドネシア代表、PT Cakraindo(カクラインド)社 Taufiqul Ulum(タウフィクル・ウルム)氏が優勝を果たし、「Ultimate Driver(究極のドライバー)」の称号がおくられた。

 なお、千葉章氏は駐車技術が評価され最優秀運転技量賞を受賞したほか、最優秀走行前点検賞も獲得した。

【クオンの部決勝】
総合優勝:オーストラリア代表 MA&RC Modra社 Matt Modra氏
最優秀走行前点検賞:日本代表 カメイ物流サービス(株)千葉章氏
最優秀運転技量賞:日本代表 カメイ物流サービス(株)千葉章氏(駐車技術において高評価)
最優秀燃費効率賞:モーリシャス代表 Serveng Ltd社 Sihib Garda Sahid氏

千葉章ドライバー(黄色いベストの方)と応援に駆けつけたカメイ物流サービスの皆さん。なんと応援グッズは自前で用意したそうだ

【クエスターの部決勝】
総合優勝:インドネシア代表 PT Cakraindo社 Taufiqu Ulum氏
最優秀走行前点検賞:マレーシア代表 Naza Transport Sdn Bhd社 Mohammad Amin Ismail氏
最優秀運転技量賞:ベトナム代表 Itl Corporation社 Nguyen Minh Phat氏
最優秀燃費効率賞:インドネシア代表 PT Cakraindo社 Taufiqul Ulum氏

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