スイスの大手エンジニアリング企業のABBは10月24日、新型高塗着塗装機「RB1000i-S」をマツダ宇品第一工場に導入した、と発表した。この最新技術の採用により、マツダは2035年までにグローバル自社工場でのカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを加速させている。
RB1000i-Sは、オーバースプレーによる塗料の空気中への飛散を抑え、より多くの塗料を車体に確実に塗着させることで、塗料の使用量を大幅に削減する。また、圧縮空気の消費量や色替えの際の塗料ロスも削減され、工場内外のCO2排出量削減に貢献している。
『CX-5』や『ロードスター』を生産しているマツダの宇品第一工場では、RB1000i-Sの導入により塗料使用量を17%削減することに成功した。これは毎年約3万リットルの削減に相当する。さらに、塗装ブースのエネルギー削減や、オーバースプレーによる装置への影響を防ぐ保護用マスキングの交換などのメンテナンス頻度も減少した。
ABBのRB1000i-Sは、自動車産業が直面する課題に対してスマートかつ持続可能なソリューションを提供する取り組みの一例。既存の塗装機RB1000iをRB1000i-Sの仕様にアップグレードするキットも用意されており、既存設備の性能を最大化しながら寿命を延ばすことが可能となっている。
ABBは2030年までに製品ポートフォリオの少なくとも80%を循環型アプローチでカバーすることを宣言しており、今回の導入はその一環でもある。
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