日本海事協会(ClassNK)は、自動車運搬船「POSITIVE CHALLENGER」に対し、電気自動車(EV)海上輸送のための追加の火災安全対策が講じられた船舶であることを示す船級符号の付記(ノーテーション)「AFVC (FD)(EV)」を付与した、と発表した。

電気自動車火災は鎮火の困難さや再発火のリスクが指摘されており、各船会社などが対策を進めている。ClassNKはこうした取り組みを支援すべく「電気自動車安全輸送ガイドライン」を発行し、5種類の「AFVC」ノーテーションを各安全措置に応じて定めている。

今回「POSITIVE CHALLENGER」に付与されたFD(Fire Detection)は、早期に電気自動車の異常や火災、火災車両の特定に寄与する有効な対策を講じられた船舶に対し付与されるものだ。この船にはAIカメラによる煙検知、熱感知、温度急上昇検知の3つの異常検知機能が備わっている。これらの機能により、可燃性ガスの発生や、車両ボディの温度上昇といった異常を検知した場合、船上の乗組員に警報を発信できる。

ClassNKは、これらの機能により、従来の煙探知器よりも早い段階で火災車両の発見・特定につながることを評価した。同協会は、電気自動車海上輸送に対する火災安全対策に向けた関係者の取り組みに対して、適切な基準策定や審査を通じた貢献に引き続き努めていく。

自動車業界では電気自動車の普及が進んでおり、海上輸送における安全対策の重要性が高まっている。

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