2021年型のムルティストラーダV4Sに導入され話題になったバイク世界初のアダプティブクルーズコントロール(ACC)が進化を果たした。システムを開発するボッシュが、アダプティブクルーズコントロール ストップ&ゴー(ACC S&G)を発表し、KTMが2025年モデルで初採用する。

  文/Webikeプラス編集部  

前車応じて自動で停止、再発進でもクラッチ操作不要

 ボッシュが開発したアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、アドバンストライダーアシスタンス システム(ARAS)の1機能。中距離レーダーセンサーで前車との位置を検知し、ABSを司るコントロールユニットやエンジンを自動で制御して距離を一定に保ってくれる。

 これが、アダプティブクルーズコントロール ストップ&ゴー(ACC S&G)に進化し、2025年型のKTMに進化型が搭載されると発表された。従来のACCは、30km/h以下はライダーの操作に委ねられていたのが、文字通り発進と停止の機能まで自動化されたのが新しい。

 ACCストップ&ゴーは、KTMの新型モデルに搭載されるオートマチックトランスミッションと連携し、バイクが停止してもライダーがクラッチを操作する必要がない。また、前車が動き出したらボタンを押すかスロットルを短く操作するだけで走行を再開できるのだ。

 これで、頻繁に発進と停止を繰り返す渋滞でもライダーの負担は大幅に低減するはず。近年、ホンダのDCTだけでなくヤマハのY-AMTなどオートマ機構を搭載するミッション車が増えていることから、ACCストップ&ゴー導入も拡大していくことになるだろう。


     

他にも5つの新機能でライダーをサポートする

 ボッシュが今回発表した6つの新機能は、ボッシュが展開しているレーダーベースのアシスタンスシステム製品構成をより充実させるもので、バイク特有の走行状況を考慮したシステムに仕上げられてる。以下に残りの5つの機能を紹介したい。

グループライドアシスト(GRA):マスツーリングでの「千鳥走行」を想定した機能。ACCは、前車は車線の中央を走ることが想定されているため、千鳥走行ではACC機能が効果的に作動しない場合があり、GRA機能が追加された。アルゴリズムの使用により千鳥走行状態を検知し、前車との車間距離を、速度を調整して自動的に維持してくれる。千鳥走行時以外では、GRAシステムはACCと同様に機能する。

ライディングディスタンスアシスト(RDA):交通の流れがスムーズなときにRDAを作動させると、前車との適切な車間距離を維持して追突を防ぐことができる。ACCでは速度を設定する必要があるが、RDAが作動している際は、通常通りアクセル操作でバイクを走行させることができる。

エマージェンシー ブレーキアシスト(EBA):システムが衝突の危険を検知しても、ライダーが十分にブレーキをかけていないときに作動する。この機能では、システムがブレーキ圧を積極的に上げて、可能な限り素早く減速してくれる。

リアディスタンスワーニング(RDW):車両後方の状況を検知し、他の後方車両が接近し過ぎた時は、ライダーにディスプレイに警告を表示する。

リアコリジョンワーニング(RCW):衝突が差し迫っている際、ハザードランプを点灯させるなどして後続車両に警告を発する機能。これにより信号待ちや交通渋滞などの状況下でライダーを事故から守ってくれる。


 

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https://news.webike.net/motorcycle/407994/

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