最近輸入車のフロントガラスがうっすら青いことにお気づきだろうか。ベンツのSクラスやテスラのモデルSなどで確認できるのだが、あれってなぜなのだろう。調べてみたらなんと日本車用にも「青いガラス」があったぞ! 

文/ベストカーWeb編集部、写真/メルセデス・ベンツ

■赤外線をカットして省エネに繋げるのが狙い

Sクラスのフロントガラスは青っぽく見える。こいつは赤外線を遮断するために「スパッタリング」という金属の蒸着処理をした結果だ

 駐車場に止まっているヨーロッパの高級車などを見ると、フロントガラスが青いクルマがあることに気付く。特に現行のベンツSクラスは強烈で、うっすらどころではなく沖縄の海のように青い(ちょっと誇張w)。

 てっきりウインドウフィルムでも貼っているのかと思ったら答えはノー。Sクラスは常に最先端技術を体現するクルマなので調べてみたら、こいつは赤外線を遮断するために「スパッタリング」という金属の蒸着処理をした結果なのだそうだ。

 赤外線は熱を伝える性質があり、車内の温度上昇の原因となる。当のガラスは赤外線を98%程度遮断するため(日焼けや退色に関係する紫外線はほぼ100%遮断)、車内の温度上昇を抑え、エアコンの省エネに繋がる。

■意外とお値打ちかも?

フロントガラスは透過率70%以上あることが車検に通る条件。ベンツSクラスのガラスはもちろんこの基準をクリアしているから、青く見えても車検には問題なく通るそうだ

 欧州は二酸化炭素削減に敏感だから、その効果を重視してこのガラスを採用したというわけ。ガラスが青く見えるのは、波長の長い赤系の色を吸収し、波長の短い青い光だけを反射するから。それが目に映り、ガラスが青く見えるというわけだ。

 ちなみにフロントガラスは透過率70%以上あることが車検に通る条件。ベンツSクラスのガラスはもちろんこの基準をクリアしているから、青く見えても車検には問題なく通るそうだ。

 ちなみに同様の効果を発揮するガラスが、国産車向けに売られている。コートテクトというものだ。

 こちらもガラスの間に金属膜を多層コートして、赤外線を90%以上カットすることに成功しているとのこと。紫外線も99.9%カットするので、人間の肌や内装部品に優しいガラスといえる。各メーカーの幅広い車種に対応している。

 価格も純正ガラスに比べて割安というから、万一飛び石などでフロントガラスを交換しなければならないときは、検討するといいだろう。

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