心配事の8割は起こらないという。つまり、2割は起こるってことなんじゃね? 「8割起こらない」とか言ってる人、残りの2割が起こっても責任取ってくれないんじゃね? 自分の身は自分で守るしかない!! カーライフで起こりそうな心配事とその対処法を伝授! (本稿は「ベストカー」2013年4月26日号に掲載した記事の再録版となります)

文:編集部/トップ画像:yamasan@Adobestock

■クルマに置いた財布が盗まれてる!!! おおおおお落ち着け!!! まず何をすべき??

財布ないのに気がつくと目の前真っ暗になりますよね(Photo by yamasan@Adobestock)

 昨年(※2013年)、愛車のプリウスで実際に被害に遭った国沢光宏氏に聞いてみた。

「即座に自分が持っているクレジットカードやキャッシュカードの会社にカードの機能停止を電話で伝えること。これが一番大事。で、冷静になって盗まれたものがほかにないかどうかを確認する。

その後に警察への被害連絡を行ない、現場に警察官が到着するまで待つわけだけど、検証で指紋採取などをするためドアなどに触れないようにして、そのままにしておくこと。

あとはバッグなどはトランクのなかに隠しておくとか、さもなくば持ち歩くかのどちらかにしておくこと。クルマの外から見えるようにしたらダメだね」

■高速走行時にまさかのガス欠……!?

高速道 ガソリンスタンドのない長距離区間ワースト5(※本誌掲載当時のデータです)

 休日の長距離ドライブの帰り道、残量警告灯こそは点いていなかったが、ガソリン残量がちょっと怪しかった。「高速道路のサービスエリアのガソリンスタンドで入れればいいや」とタカをくくっていたが、一般道と同じく高速道路のガソリンスタンドも減っており、100km以上給油できないこともザラになっている昨今。やがて残量警告灯が点き、スタンドも見つからず、とうとうガス欠してしまった。さてどうしよう?

 こんな場合はガソリンを誰かに持ってきてもらうしかない訳だが、これはJAF(携帯電話からのコールは#8139/ハイサンキュー)か、任意保険に付くロードサービスにお願いしよう(親切な友人か家族に携行缶に入れて持ってきてもらうという手もあるが)。

 料金はJAFの場合、会員だと燃料代のみで済むが、非会員の場合は燃料代+1万円以上の作業費となるので、何らかのロードサービスには入っておいたほうが何かと安心だろう。

 なお、高速道路の車線上でのガス欠は9000円の罰金+2点減点となるので、安全のためにも何としても路肩へ寄せよう。また、JAFではEVのバッテリー切れにも充電場所への搬送や給電車での充電で対応している。

■うそーんETCゲートが開かない!?

最近はETCが主流だが、チケットの紛失には注意!

 まず、速やかに安全確保のためにハザードランプを点滅させ、後続車に異常が発生したことを知らせよう。次に、クルマに乗ったままゲートに設置されているインターフォンを押し、係員と連絡を取って指示に従うこと。この時、絶対にしてはいけないのは慌ててバックしてしまうことだ。さらに、クルマから降りて後続車に異常を知らせに行くのも危険だ。

 ETCゲートを安全に通過するためには、高速に入る前の段階で車載器にETCカードがきちんと差し込まれているかどうかを確認すること。さらにETCカードには有効期限があるので、期限切れになっていないかの確認も怠らないようにしよう。

 また、車載器にETCカードをきちんと入れていてもゲートが開かないようなケースもある。その場合、車載器本体の不具合というよりもETCカードの不良が考えられる。ETCカードの金属部に汚れや湿気がついたり、反っていたりするとエラーを起こす可能性が高くなるので気をつけよう。

■……あれ? 免許証が失効してる……???

そうそうないこととは思うが、毎年一定数いらっしゃるのも確か

 新年度を前に財布の中身を整理している時、免許証をふと見ると、なんと有効期限が過ぎていた。「しまった!」。

 この場合、まずしなければならないのは、無免許状態であるので手続きするまでは絶対に運転してはならないこと。無免許運転が発覚すると1年以下の懲役または30万円以下の罰金、少なくとも25点減点のため2年間は免許が取れないという非常に重いペナルティが科せられる。

 手続きは失効していた期間、理由によって異なる。まず失効期間が半年までだった場合は理由に関わらず、学科および技能試験が免除され、受験と講習を受ければ免許は復活する。受験場所は地域によって免許センターか警察署のどちらかで、費用は東京都だと受験手数料(普通免許だと3950円)、講習手数料(一般だと950円)のふたつが必要。

 失効期間が半年以上になると理由によって手続きは異なる。うっかり失効で失効期間が半年から1年間までの場合は、仮免許の学科と技能試験が免除となるため、本免許の技能試験と学科のみ再受験となる。いっぽうやむを得ない理由(疾病や海外赴任など)があれば、証明する書類を添付することで3年まで技能試験と学科は免除となる。

 うっかり失効が1年、やむを得ない理由があっても失効期間が3年を超えると救済処置はいっさいなくなるので気をつけよう。

■任意保険の等級引き継ぎと更新忘れ

 3月の決算期に大幅値引きをしてもらって購入したマイカーは任意保険の満期も3月となる。

 しかし、年度末となる3月はなにかと忙しく、ネット通販型のものだったため満期のお知らせも頭から飛んでしまい、ついうっかり任意保険の更新をし忘れてしまった。割引が進んでいた等級はどうなるの?

 何より気をつけたいのは任意保険は契約期間が切れていれば当然無効となり無保険状態となること。速やかに保険の再契約をしよう。

 更新忘れで無保険状態になる次に心配なのが等級の引き継ぎだが、これは前契約の翌日から7日以内なら等級を引き継いで、新契約を結べる救済処置がある。

 この期間を過ぎてしまうと残念ながらそれまでの等級は無効となり、新規での契約となる。

 このことを逆手にとって保険の使用で等級が新規の6等級以下になっている人が「新規から入り直したほうが安い」とわざと更新しない場合もあるが、これは前の契約から13カ月が過ぎないと新規とはならないので、注意が必要。

 保険会社によっては「うっかり継続」などといった名称で、満期から7日間を過ぎても一定の期間なら等級を引き継げる特約がある場合もあるので、チェックしてみるといいだろう。

■自動車税を滞納してしまった!

こうならないように気をつけよう

 毎年4月1日時点での所有者が納税者となり(ローンの使用で所有者がローン会社の場合は、使用者)、毎年5月中が納税期間となる自動車税。滞納した場合、どうなるの?

 まず自動車税は後述する住所変更を忘れるなどしても、現住所に必ず督促状が送られてくるので、故意にという場合以外で納税を忘れるということはないだろう。

 納税期間を過ぎると期間に応じて延滞利子のペナルティ(1カ月以内/年7.3%、1カ月以降/年14.6%)が発生する。自動車税が3万9500円となる1500cc以上2000㏄未満のクルマで納税遅れが1カ月以内の遅れだと、240円の延滞金が必要になる。

 滞納が長引くと、最悪の場合タイヤに鉄製のタイヤロックをかけられ、クルマを差し押さえられることになるが、そこまでの制裁はよほどの期間無視を続けなければそうなることは稀。

 ただし「自動車税滞納整理強化期間」などの実施で現実のものとなる場合もあるので、早めの納税が吉。そもそも自動車税が未納だと売却の際に面倒なことになるケースがあったり、継続車検も受けられないので、通知が来たら即納税を心がけよう。

■高速道路でチケット紛失!

 ETCの利用がほとんどとなっている昨今ではあまりないかもしれないが、経費の精算の都合があり、料金所で渡される領収書が必要なので乗り口のICでチケットを取って高速道路に流入。しかし、窓を閉めるのが遅れ、ダッシュボードに置いておいたチケットが風に飛ばされてしまった! 漫画のような話だが(担当にはハイウェイカードがふっ飛ばされたという友人もいた)、こんな場合どうしよう?

 高速道路、有料道路のチケットを紛失した場合はまず出口となるICの料金所で事情を申し出よう。今となっては懐かしいが、チケットにはクルマのナンバー数字の部分が記載されていることからもわかるように、高速道路に入ったクルマはチェックされており、おおよその入った時間を言えばクルマも特定でき、通常料金で通行できる。

 それがダメでも入ったIC近くにいたことと、いた時間を証明できるもの(コンビニや食事、ガソリンスタンドの領収書など)があれば証拠として通常料金で通行できる場合がほとんどだ。それでも証明ができなかった場合は、最悪その高速道路の始点から料金の支払いが必要となることもあるのでチケット紛失にはくれぐれも気をつけたい。

■車検証の住所変更をし忘れた!

 春は新生活に向けた引っ越しシーズンでもある。で、引っ越しのドタバタが一段落し、両隣の家や周りのクルマのナンバーを見ると地元の「○○ナンバー」ばかり。引っ越しをすると、やっぱり住所も転居前のものから転居後のものに変えないといけないの?

 もちろん、原則としては引っ越しをしたら住民票を移動しなければならないのと同じように、クルマの登録住所も変更しなければならない(原則として転居から15日以内)。

 車庫飛ばしのような理由で罪に問われる可能性もゼロではない。とはいえ自動車税は逃げようとしても住民票の住所にしつこく追いかけてくるし、仮に「変更しなかったところでそれほど大きな影響はない」というのが実情。でも、そうは言ってもなるべく早くクルマの住所変更もすませたほうが精神的にも安心だろう。

 クルマの住所変更に必要な書類は陸運局で購入するもの以外では、発行から1カ月以内の車庫証明書、住民票に代表される新しい住所を証明するもの(発行から3カ月以内)で、費用は用紙代数百円、警察に支払う車庫証明書が2600円(地域によって異なる場合も)、ナンバー変更になる場合はナンバープレート代1500円、業者に頼む場合は別途手数料が必要になる。

 もちろん時間の取れる人なら自分でやるのもいいだろう。

■EVオーナーなのに充電時にチャデモカードを忘れた!

 カードを持っていない人と同じ扱いとなるが、急速充電器の利用は可能(1回30分525~1000円)。また、紛失時には使用停止手続きをとったうえで再発行となる(1575円の再発行費用がかかる)。

 チャデモ(CHAdeMO)は急速充電方法の商標名で、チャデモチャージカードがあれば全国のEV急速充電器ネットワークを利用することができる。

 このカードがあれば昨年10月までは無料で利用できたが、昨年11月より登録手数料1575円、月額基本料金1050円(申し込んだ月は無料)、充電1回あたりの従量料金は無料という料金体系に改められている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。