黄色い体に小さな羽根、そしてつぶらな瞳とその姿が愛くるしい、すっかり名古屋の新名物として定着した「ぴよりん」だ。ジェイアール東海バスとのコラボレーションでラッピングバスが登場し今年も運行される。初便に乗車できたので終点までレポートする。

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■第2弾のラッピングは特使仕様!

特使になって再登場

 着いたのはJR名古屋駅の新幹線口。ここにあるJR東海バスのハイウェイバスターミナルから乗車する。そして今回も出発式が行われるということでやや早めに乗り場にやってきた。報道のカメラやバスを見に来た人などが集まる中7時25分ごろバスがやってきた。

 これが本日より運行を開始する「ぴよりん」バスである。今回も各所にぴよりんのイラストがあしらってあるが、注目してほしいのは「ぴよりん」の冠に付けられた「名古屋観光特使」という文字である。

 この「名古屋観光特使」というのは公益財団法人名古屋観光コンベンションビューローが名古屋の知名度向上とイメージアップのため、2016年3月に設けた制度で現在までに「BOYS AND MEN」と「TEAM SHACHI」の2グループ、名古屋のちんどんや「べんてんや」に委嘱しているという。

今どきの4列シート車

 そして2023年10月にキャラクターとしては初めて「ぴよりん」に「名古屋観光特使」が委嘱されることとなり名古屋観光のPRに貢献しているという。その1つとして今回のジェイアール東海バスとのコラボレーションでぴよりんのラッピングバスという運びとなった。

 また周りには名古屋城、大須の赤門やテレビ塔がイラストとして描かれている。バスが停車すると一斉にシャッターを切っている様子が見られた。

■恒例の出発式典

栄光の初便は新東名スーパーライナー新宿号

 記念すべき初便となったのは東名ハイウェイバス路線、直行便の「新東名スーパーライナー新宿4号」東京駅行きである。8時の出発を前に出発式が行われた。この出発式のあと乗車するということだったので筆者も式典の様子を見ることができた。

 まず最初にジェイアール東海フードサービス株式会社 岩下 賢一(いわした けんいち)社長によるスピーチが行われ「名古屋観光特使」とジェイアール東海バスのボディに大きく描くことで高速道路を東へ西へと駆けることは大変名誉なこと。

式典ではテープカットも!

 当社の社員、工房で1つずつぴよりんを作っているスタッフからすると我が子の晴れ姿を見る思いではないか。これからたくさんのお客さまとジェイアール東海バスの運転手さんと一緒にさまざまな街を駆け抜けますのでよろしくお願いします」と挨拶された。

 続いてジェイアール東海バス株式会社 小笠原 均(おがさわら ひとし)社長によるスピーチが行われ「ちょうど1年前に名古屋名物のお菓子であるぴよりんとのコラボレーションバスを運行させていただいた。多くの場所でぴよりんバスの目撃情報がSNSで報告されるなど大きな手ごたえがあった。

 今回は特使としての活躍の場としてぴよりんバスの第2弾の運行をさせていただくこととなった。来年の3月まで東京・大阪・北陸など各地域の高速道路を運行するのでこのバスを見て、バスに乗って名古屋へ行きたい、なごやめしを食べたい、ぴよりんに会いたい、そう思っていただけると嬉しい」と挨拶された。

■「1ぴよ」プレゼントの大盤振る舞い!

まだ発売していない時間に「1ぴよ」プレゼントの大盤振る舞い

 スピーチのあと3人がバスの前でテープカットを行い出発式を締めくくった。その後バスへと乗車という流れになり筆者も手続きを行うため乗車列へと並んだ。今回も前回にもプレゼントされたぴよりんが1人1ぴよプレゼントされた。

 またぴよりんバス運行を記念して作成された缶バッジも同時に配布された。これは今後の乗車する際にはもらえるということであるが、今日は運行初日ということで特別に日付の入った缶バッジだという。

日付入り特別缶バッジ

 扉付近に設置されたカゴに入っていてそこから自由にもらっていくタイプで、こうした記念品はやはり嬉しいものである。

■どうするどうなる揺れるぴよりん!

いざ!ぴよりんチャレンジ

 そして朝8時、出発の合図とともにバスは出発した。バスは名古屋駅を出て近くのインターより高速道路へ入っていく。名古屋高速を南下し、東海インターから伊勢湾岸自動車道へ入っていった。

 車内の様子は早速ぴよりんを食べる人や、持参したグッズと一緒に記念撮影を行ったり、また見た目のかわいさからなかなか食べることができず眺めていたりと様々だ。

 ちなみにこのぴよりんといえば有名になったのが「ぴよりんチャレンジ」である。ぴよりんは名古屋コーチンの卵を使った、ひよこ型スイーツでプリンをババロアで包み、その上から粉末状にしたスポンジをふりかけたというもので、非常にやわらかく崩れやすい。

 また揺れに弱いということで気をつけて持ち歩かないと無残な形になっていることも多い。それから如何に崩さないようにして持ち帰るかという様子や持ち帰った姿をSNSへ上げる人が増え、このぴよりんの人気の1つになっている。筆者は今回は前回よりも長めに座席で眺めていたが出発して約1時間くらいで形がやや怪しくなってきたのでいただいた。

■降車休憩で周囲にしっかり宣伝!

遠州森町PAで降車休憩

 出発して2時間弱、10時前に新東名高速道路の遠州森町パーキングエリアに到着した。ここで約10分の休憩となり、続々と乗客が降りていった。筆者も降車して早速ぴよりんバスの撮影をさせていただいた。

 乗車する際は乗降口側しか見ていなかったが、反対側のイラストもまたなかなかにかわいい。中央には「名古屋観光特使 ぴよりんBUS」とタスキをかけたぴよりんが、そしてその横にはひつまぶしや味噌煮込みうどん、みそかつ、小倉トーストといったなごやめしが描かれ「「なごやめし」いっぱい食べBUS」と書かれている。

宣伝効果は抜群?

 もちろんその中にはぴよりんも紹介されている。車両後部には通常「HIGHWAY BUS」のロゴがあるのだがそこも「ぴよりんBUS」と変更されていた。車両の前部、後部にもぴよりんBUSの文字があり、高速道路などバスの前後を走っている車などへもしっかり宣伝ができているようである。

思わず見てしまう特大ラッピング!

 休憩後出発したバスは新東名高速道路を順調に走行し、2ヶ所目の休憩場所であるEXPASA足柄には11時30分頃に到着した。ここでも約10分の休憩となり、少々早めの昼食を購入してバスに戻ってきた。バスの周りでは乗客やサービスエリアの利用者も興味深そうに眺めながらスマホなどで撮影を行っていた。

■無事に初便はバスタ新宿に到着!

終点バスタ新宿

 乗客の確認を行ったあと、バスは東京へ向けて動き出した。前回ぴよりんバスに乗車した際は渋滞情報などがアナウンスされ、終点の東京駅日本橋口には約1時間遅れでの到着となったのだが今回は順調に走行できているのかそのようなアナウンスもなかった。

ぴよりん号」指定車?の744-14959

 そして首都高速道路の用賀パーキングエリアに停車、ここでは2~3人の降車があった。そして最初の降車地であるバスタ新宿には予定より約15分遅れで到着した。だいたい乗客の半分ほどがここで降りていった。

 ここからは一般道を走行し、内堀通りへと入っていくともう東京駅は近い。終点の東京駅日本橋口に到着したのは予定より20分遅れの13時55分到着であった。乗客の降車が終わると点検の後、回送となってぴよりんバスは飛び立っていった。ここまで乗車していた人やこの日本橋口でぴよりんバスを待っていた人がその様子を最後までカメラに収めていた。

特使なので相当偉くなった?

 そんなわけで今回は「名古屋観光特使 ぴよりんBUS」初日の運行の様子をお届けした。昨年はバスの車体にあしらったぴよりんということで注目度も大きかったが今回はそれに比べると出発式に集まった報道の数も少ないように感じた。

 ただ注目度は高いようで各所で写真を撮っていたのはぴよりんのかわいさも一役かっているかもしれない。そして運行であるが来年2025年の3月末までということで、その間各路線を走行するので見かけたらどんどん目撃情報を上げてほしい。

次はどの路線に入るかな?

 運行便については公式サイトやX(旧Twitter)などで公開されるということなので名古屋観光特使としてがんばる「ぴよりん」の応援をぜひともお願いして、名古屋へこのぴよりんバスで訪れてみてはいかがだろうか。老若男女にかかわらず、ぴよりんに包まれた良い思い出として心に残ることだろう。

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