ポルシェは7月19日、ポルシェ・エンジニアリングは新たに「ドライブシステム」部門を設立し、ハードウェアとソフトウェアの専門家がシャシーと駆動システムの分野で密接に協力する体制を整えた、と発表した。

このチームは、要件定義から機能開発、ソフトウェアとアクチュエータのキャリブレーション、テストおよび検証まで、完全なシステムを開発・統合する能力を持つ。

ソフトウェアは車両において新機能を実現し、価値創造においてますます重要な役割を果たしている。しかし、顧客体験はプログラマーの技術だけでなく、ソフトウェアと車両ハードウェアの最適な組み合わせと調和も重要。特に駆動システムとシャシーにおいては、運転体験に大きな影響を与えるため、この点が重要視される。

ポルシェ『カイエン』改良新型の開発においても、ハードウェアとソフトウェアのシームレスな統合が重要視された。カイエンは、運転の快適性とスポーティさの幅広いスペクトルが特徴。これを実現するために革新的なソフトウェアとパラメータ設定が行われた。

ポルシェ・カイエン 改良新型

注目は、2バルブ技術を持つダンパーの導入だ。ポルシェ・エンジニアリングとサプライヤーが共同開発したこのダンパーは、スポーティな運転と快適な運転の両方を実現するために最適化されている。この新しいハードウェアにより、ソフトウェア開発の要件も大きく変わり、新しいインターフェースが定義された。

ポルシェ・エンジニアリングは、新しい制御ユニットの開発と基本ソフトウェアの共同調整も担当した。新しい2チャンバーエアスプリング/2バルブダンパーシステムの複雑さに対応するため、従来の10機能から17機能に増加した。これにより、開発者は新しいソフトウェアを早期にテストし、ハードウェアインザループ(HiL)やテストベンチでの検証を行った。

ポルシェ・エンジニアリングは、ドイツ、チェコ、ルーマニアの専門家がコード生成、機能開発、テストおよび検証を担当する国際チームを構築し、プロジェクトを予定通りに完了させた。

新しいカイエンのブレーキシステムでも、ハードウェアとソフトウェアの相互作用が重視された。ドライバーがペダルの感触を最適に感じられるようにするため、ハイドロリックフリクションブレーキと回生ブレーキのブレンドが行われた。これにより、車両のEVモードでのl航続が向上し、エネルギー消費が削減されている。

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