クルマの車庫証明を取ると500円で交付される「保管場所標章(通称:車庫証明ステッカー)」。クルマのリアガラスに貼るように指示されていたが、こいつが廃止されることになった。要らないのならなんでこんなもの作ったのよ!

文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=umaruchan4678)、illustAC、ベストカーWeb編集部

■警察庁の照会システムが進化して不要に

車庫証明といっしょに500円で交付されていた保管場所標章(Kumi@Adobestock)

 2024年の5月17日、衆議院で「自動車の保管場所の確保等に関する法律(通称:車庫法)」の改正案が成立し、車庫証明時に交付された保管場所証票(いわゆる車庫証明ステッカー)が廃止されることが決まった。予定通りならば30日以内に公布され、1年以内に施行されことになる。

 そもそもこのステッカーが導入されたのは1991年のこと。当時はまだ路上駐車や私有地への無断駐車が後を絶たず、事故やトラブルのタネともなっていた。

 そこで警察庁が車庫法を改正し、保管場所を届け出ると同時にそれを証明する標章をクルマに貼り付けることを義務付け、保管場所の有無を一目で分かるようにしたというわけだ。

 実際、この制度の導入によって路上駐車などは減少する傾向がみられた。

 しかし車庫証明ステッカーは義務ではあるものの、貼らなかった場合の罰則が規定になかったため、一部には「カッコ悪いし、クルマを売るときに剥がすのが面倒だから、車検証入れに入れておくだけ」というユーザーが存在したことも事実だ。

 そんな制度の開始から30年以上が経過したわけだが、この間に警察の照会システムが進化し、クルマのナンバープレートを調べるだけで、所有者や保管場所が容易に分かるようになった。

 となると車庫証明ステッカーの存在意義が薄れるようになり、とうとう2023年暮れに警察庁が「保管場所標章を廃止する」と発表、その後の法改正に至ったわけだ。

 クルマユーザーとしては、ステッカーの廃止によって「貼る」「剥がす」という作業が減ることはうれしいのだが、それ以上に標章公布手数料として取られていた500円がなくなることが地味にありがたい。クルマ購入の手続きはなにかと煩わしいだけに、その手間がより軽くなるといいのだが……。

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