カーオーディオシステムを進化させたいと考えているドライバー諸氏に向けて、それを実行に移そうとするときに参考になる製品情報を多角的に発信している当連載。現在は「サブウーファー」にスポットを当てている。今回は「単体サブウーファー」について説明していく。
さて、これまでの記事にて解説してきたとおり、「サブウーファー」にはタイプ違いが3つある。「小型・薄型のパワードサブウーファー」、「ボックスサブウーファー」、そしてこの「単体サブウーファー」、これらだ。
で、「単体サブウーファー」はこれら3つの中でもっとも導入のハードルが高い。なぜならば「単体サブウーファー」とはその名のとおり「サブウーファーユニット」が裸の状態で売られているもののことを指すので、「ボックス」と「パワーアンプ」とを別途用意する必要がある。ゆえにコストも手間もかかりがちだ。
しかしながらマニアの多くは、それでも敢えて「単体サブウーファー」をチョイスする。それはなぜなのかというと……。
答は、「低音の鳴り方を自らプロデュースできるから」だ。スピーカーはどんなボックスに組み付けるかで、そしてどんなパワーアンプで駆動するかで鳴り方が変わってくる。なのでそれらが一体化しているモデルでは、どんな音がするのかはメーカーの設計者に委ねられることとなる。
結果、失敗がないという利点も発揮する。使用する「サブウーファーユニット」の性能をしっかり引き出せるように、メーカーが「ボックス」と「パワーアンプ」を設計するからだ。しかし「単体サブウーファー」を選ぶ場合には、それらを自分自身で行える。
例えば「ボックス」は、箱を大きめに作るとローエンドまで鳴らしやすくなり伸びやかな低音を鳴らしやすくなる。逆にコンパクトに仕上げるとレスポンスの良い低音を鳴らしやすくなる。さらには「ボックス」の構造を変えることでも鳴り方を変えられる。
また「単体サブウーファー」は選択肢が多い。ここも利点だ。カーオーディオでは、創意工夫を発揮することも楽しみどころとなるので、「サブウーファー」も完成品よりも半完成品の方が選ばれることが多く、メーカー側もそういったニーズを勘案し「単体サブウーファー」をバリエーション豊かにラインナップしている。ゆえにユーザーは、自分が欲しいサウンドを鳴らしやすい製品を吟味してチョイスできる。そしてそのチョイスの過程もまた楽しみどころとなる。「単体サブウーファー」を選択すると、楽しみどころが増える、というわけなのだ。
今回は以上だ。次回は、どのような「単体サブウーファー」があるのかを説明していく。お楽しみに。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。