ガソリンスタンドに行くと選ぶことが出来る油種はハイオク、レギュラー、軽油だ。それぞれ価格が異なる訳だが、その中でも軽油が最も安い。でもなぜ軽油は安いのだろうか? ハイオクやレギュラーとは何が異なるのだろうか? 今更聞けないようなガソリンと軽油の違いについて紹介していく。

文:西川昇吾/写真:Adobe Stock(トップ画像=Norman01@Adobe Stock)

■価格の違いは税金の違い

軽油の方が安いのは税制的な問題だ(araho@Adobe Stock)

 なぜガソリンと軽油で値段が異なるのか?それは税金が関係している。ガソリンには揮発油税(48円60銭/L)と地方揮発油税(5円20銭/L)を合わせたものが、俗にガソリン税と言われていて、これが1Lあたり53円80銭の税金となっている。揮発油税は2つあるが、重たい揮発油税は国税となっている。

 対して軽油は地方税として1Lあたり32円10銭の軽油取引税が取られている。税金がリッター当たり20円以上も安いから価格差が発生しているのだ。ガソリンと軽油で地方税と国税の違いが表れているのも不思議なポイントだ。

 なお、税金を差し引いた原材料価格で言えば軽油の方が実は高い。国によって異なるが、税金のシステムが異なるためレギュラーガソリンと軽油が同じくらいの値段の場所もある。

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■ガソリンと軽油はどのように違う?

ガソリンスタンドで給油を終えた後に、ちょっと漏れてしまって吹き上げてようとしたら、ガソリンの液体がもう消えていた。そんな経験がある人もいるのではないだろうか?(tong2530@Adobe Stock)

 ハイオクやレギュラーはガソリンと呼ばれるが、軽油はガソリンとは呼ばれない。軽油とガソリンは別の燃料だ。ガソリンも軽油も石油由来の燃料であり、その製造方法は原油を暖めて蒸留装置で精製して沸点ごとに取り出しているのが基本だ。この留出する温度がガソリンと軽油では異なっている。

 ガソリンの沸点は35~180度のあたりで取り出しているのに対して、軽油は240~350度のあたりで取り出している。これによって分かりやすい違いが生まれている。よく「ガソリンは揮発性が高い」などと言われているが、すぐに蒸発してしまうのが特徴だ。

 ガソリンスタンドで給油を終えた後に、ちょっと漏れてしまって吹き上げてようとしたら、ガソリンの液体がもう消えていた。そんな経験がある人もいるのではないだろうか?これは取り出す沸点が影響している訳だが、軽油ではこのようなことは起きない。

 むしろなかなか蒸発しないので、吹き上げなければいけないことがほとんどだ。

 また、意図的に付けられている色も異なる。ガソリンはオレンジ系の色に着色されているが、軽油は無色透明か薄黄色に着色されている。これは間違えないように意図的に付けらえた色だ。

 燃料にかけられる税金の違いから価格差が生まれるガソリンと軽油、自身のカーライフに合っているのであれば、軽油を使うディーゼル車の方が燃料代を安く済ませることが出来る。もし燃料代が気になるようであれば、この燃料代が高い時代ならば導入を検討するのも大いにアリと言えるだろう。

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